口コミパワーと正直戦略

商品比較サイト、カカクコムの業績が急回復していますね。
(日経産業新聞、2005/11/18)

今年5月、不正アクセスで一時閉鎖を余儀なくされたものの、
直近の四半期(7-9月期)は売上高前年同期比5割増、
経常利益は同4割増。

サイト利用者数も、サイト閉鎖前を上回る勢い。

不正アクセス発生時の対応はやや手際が悪く、
顧客離れが懸念されましたけど、杞憂に終わったようです。

カカクコムは、同じ製品なら安く買いたいという消費者ニーズ
に応えることができるのが強みですが、同時に製品に対する
購入者やその道のプロ(オタク)による評価、つまり口コミ
情報の豊富さが魅力です。

多種多様な商品があふれる今、どの商品を買うべきかという
比較検討は素人にはとても難しい。

なぜなら、目に見える機能・性能面での違いは
ごくわずかになってしまっているからです。
ところが、このごくわずかの違いが、
使い勝手に大きな差を生んでいたりします。

たとえば、デジタル商品の場合、プログラムのちょっとしたバグが
とんでもない問題を引き起こします。
ですから、ユーザーは口コミ情報を大いに参考にしますし、
また頼らざるを得ない。

さて以前なら、商品の不具合があると、それがよほどのトラブル
を引き起すものでない限り、メーカーはこっそり個別対応して、
マスコミに騒がれることから逃れようにしてました。

しかし、現在は素人ユーザーがカカクコムやブログなどを通じて、
たちまち不具合を白日の下にさらしてしまいます。
したがって、これまでのように、
メーカーが密かに穏便に事を済ませることは無理になりました。

今、メーカーがやるべき行動は、ユーザーの利益を最優先に、
正直にすべてを公開することでしょう。
「嘘つき」は最も嫌われるからです。(当たり前すぎますね)

つまり、口コミパワーに対抗できるのは、
「正直戦略」しかありません。

でも、社内事情が優先してしまって
なかなか正直になれないのが現実のようですけどね。

投稿者 松尾 順 : 2005年11月18日 07:05

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