みだぐなす

「みだぐなす」

と呼ばれていたフルーツがあります。何だかおわかりですか。

フルーツのブランド化の例として結構有名なケースなんですが、
「西洋梨」のことです。ブランド(品種)名は「ラ・フランス」。
フランス生まれの山形育ち。

今が旬のようですね。
我が家でも、生協を通じて今週届いた「ラ・フランス」を
食後のデザートにいただいていますが、
柔らかい果肉の食感としつこくない自然な甘さが最高ですよね。

さて、「みだぐなす」というのは、「見栄えのよくない梨」
という意味の方言です。

真実かどうか調べ切れなかったのですが、
味はおいしいけれど、見栄えがよくないこのフルーツの名前を

「ラ・フランス」

という名前にしたことでブランド化し、人気のフルーツに
なったと言われています。

最近、農産物や海産物のブランド化が盛んになってきましたが、

「みだぐなす→ラ・フランス」

の例はそのはしりといえるでしょう。

この「ブランド化」は、シンプルに言うと「ブランド認知」
「ブランド連想」「ブランド好意」の3つの視点で見ること
ができます。

「ブランド認知」は、その名前を聞いたことがある・知っている
ということ。

「ブランド連想」は、その名前を聞いた時に思い浮かぶ
様々なイメージ。

「ブランド好意」は、その名前を聞いた時に、
良い、好き、食べたい、とかの好意的な感情の度合い。

したがって、ブランド化に成功するために、
ネーミングがとても重要なことはおわかりでしょう。

そして、ブランド化の視点でのネーミングのチェックポイントは
次の通りです。

・覚えやすいネーミングか?
・名前が良いイメージを喚起するか?
・名前が好意的な感情を喚起するか?

このチェックポイントで、「みだぐなす」と「ラ・フランス」
を比較するとどちらが優れているか、すぐわかりますね。

重要なのは、「みだぐなす」は、この方言の意味がわからない人
にとっても、日本語の語感的に、なんとなくさえないイメージや
不快な感情を喚起してしまう名前だといういうことです。

ブランド化を狙って商品名をつける際には、
言葉の持つ「意味」以前に、音として聞いた時に、
人にどんなイメージや感情をわきあがらせるのか、
という点に注意が必要なんです。

話が飛びますが、ゴジラ、ガメラとか、怪獣の名前には
不思議なことにガ行、つまりガ・ギ・グ・ゲ・ゴが多いですね。

ガ行がつくといかにも怪獣らしい語感になるからです。
このことをテーマにした本も出ていますね。

投稿者 松尾 順 : 2005年11月22日 05:58

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mindreading.jp/mt/mt-tb.cgi/51

このリストは、次のエントリーを参照しています: みだぐなす:

» pay day loans from pay day loans
デイリーブログ『マインドリーダーへの道』 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2013年06月26日 04:58

コメント

コメントしてください




保存しますか?