背中に刺さる弁当欲しい視線
このところ出張続きで、新幹線によく乗りました。
以前の編集後記にも書きましたが、新幹線の最大の楽しみは
仕事が終わってほっとした車内で、ビールや弁当を食べること。
ですから、車内販売が早くこないかと心待ちにしているんです。
しかし、先日の京都からの帰りの車内販売の人はすごかった。
なにせ、つむじ風を巻き起こしつつ、足早に過ぎ去っていくので、
頼もうと思ったらもう視線から消えています。
「おねえちゃん、ちょっと!」
などと衆人環境で声を出すのは恥ずかしいですし、
次に回ってきた時でいいか、とか思ってしまいました。
この車内販売の人、まだ新人さんなのか、販売センスがないのか、
どちらにせよ販売機会をずいぶん失ってますよね。
でも、何事もプロになると全然違うんです。
まさに乗客との心理戦に勝負をかけています。気合が違う。
結構前の日経夕刊に取り上げられていたんですが、
社内販売のプロ、斉藤泉さん(31歳)の場合、
JR山形線の東京⇔新庄の往復約7時間で、30万円以上の売上げ。
24時間営業のコンビニの日商が、だいたい40-60万ですから、
この売上げが半端じゃないことがおわかりになると思います。
斉藤さんは、最初の一往復で乗客400人の視線に注意します。
少しでも斉藤さんの方を向けば、車内販売に関心があり、
購買意欲も高いと思われる「見込み客」と判別。
次に通りかかったときに、斉藤さんの方から、
「お飲み物はいかがですか」
とお勧めします。
これで王手、だいたい売れてしまう。
さらに、注文するかどうか迷っているお客さんには、
斉藤さんの視線で‘落とす’そうです。
なんだかすごいですね。
最近では、後ろにいるお客さんの、「弁当欲しい視線」が
背中に刺さるそうです。
どんな分野もプロの境地にまで達すると、五感の世界の勝負に
なってきますが、斉藤さんも、まさに「車内販売の神様」と
言えるところまできてますよね。
投稿者 松尾 順 : 2005年12月06日 12:47
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