一所懸命、生活しましょう

今年5月に一号店が開店した「ストア100」は、
ローソンが手がける100円コンビニです。
現在は、都内に14店舗を構えています。

ストア100は、「中高年向け、均一価格、家族志向」が
基本コンセプトであり、コンビニの「若者向け、定価販売、
個食志向」のコンセプトとは大きく違います。

このため、ストア100の展開をまかされたローソンの担当者は
当初、主婦の感覚がわからなくて相当苦労したようです。

例えば、コンビニではよく売れる一人用の漬物とかが、
まるで売れなかったのです。

ストア100は、最初はコンビニの延長と考えてたようですが、
売れるものがコンビニとはぜんぜん違う。主婦に聞くと、
「量感」や「安全性」を重視していました。

主婦の金銭感覚を考えると、割高になる小分けを買うより、
たくあん一本とかで買えた方がいい。

そうじゃないと量も足りない。
まな板の上で切って食卓に出すことは、普段料理する主婦に
とってたいした手間ではない。

最近は、小分けにした方が売れるという定説が浸透していますが
すべてのターゲットに通用するものではなかったわけですね。

また、納豆についても、量感に欠ける2パックではなく、
家族みんなで食べられる4パックのセットにした方が、
いいのではと考え、4パックを置いてみた。

そうしたら、納豆の売り上げは2倍になったそうです。

面白いのは、こうした気づきを得られるようになったのは、
担当者が、自らスーパーに足を運び、食材を選び、
料理をしてみたからだということです。

主婦の気持ちがわかること、つまり共感できるためには、
ただ販売データなどの感情の抜け落ちた数字を見ているだけ
ではダメなんですね。

商品開発のプロであるためには、なによりも、
いち生活者、いち消費者であることが必要なのです。

このことは極めて普遍的な原則だと、私は確信しています。

なぜなら、ヒット作を連発してきた稀代のプランナーたち、
たとえば、今年お話を聞いた、

元リクルートの創刊男、くらたまなぶさん、
作詞家の秋元康さん、
TVプロデューサーのおちまさとさん

は、皆、上記の点では一致していたからです。


「一所懸命、生活しましょう」

(生活の一面にしか過ぎない、仕事にばかりのめりこんで
 いると、消費者への共感力は確実に低下しますよ)

投稿者 松尾 順 : 2005年12月20日 06:19

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コメント

基本だとわかっていても。。。
自分の生活は 置き去りにしがちになります。
来年は 楽しく 妖精のように生きます。
「妖精だったら こんなジャンクフードを食べるのか?」と
自分と話しながら。。。

投稿者 waka : 2005年12月21日 16:15

「楽しく、妖精のように生きる」

そう自分で決めると、それだけで生活が変わってきそうですね!

投稿者 松尾順 : 2005年12月21日 17:50

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