ワガママな3人の王様たち

人の心理を的確に読む、つまり「マインドリーディング」
するためにぜひ知っておきたいことに、

「脳の3層構造」

があります。

この「脳の3層構造」とは、人の脳は次の3つの異なる性質を
持つ脳で構成されているというものです。

・爬虫類脳(脳幹)
・動物脳(大脳辺縁系)
・人間脳(大脳新皮質)

進化論の考え方では、まず、体を動かす神経が発達して、
生命を維持するための本能をつかさどる「爬虫類脳」ができ、
次に、その外側に感情・情動をつかさどる「動物脳」が、
さらにその外側に、理性や思考を司る「人間脳」が
発達していったとされています。

つまり、人は、

「爬虫類の心」「動物の心」「人の心」

の3つを同時に持っているのです。

爬虫類の心は、食欲や性欲などの本能的欲求の命ずるまま
行動することを求めます。

動物の心は、感情のまま、気分のまま行動したがります。

人間の心は、言語を駆使して思考した上で行動を起こす
冷静な心です。

人の社会では、爬虫類の心、動物の心のまま行動すると
大迷惑を引き起こします。

例えば、周囲を振り回す気分屋の人って、
おそらく動物の心が強いんでしょうね(笑)

そこで、人間の心が爬虫類、動物の心をなだめたり、
時に強引に押さえ込むことで、良識のある社会的行動を
維持しているわけです。

しかし、しばしば押さえ込まれた欲求が爆発して外に
出てしまうことがあります。それが、犯罪行為や
心理的な病気につながったりします。

今まで、マーケティングや経営の世界では、
人間脳が得意な合理的・論理的な判断、思考を重視してきました。

しかし、最近はこんな脳科学の研究の成果の影響もあって、
感情や情動、本能的な欲求がどのように消費者行動に
影響を与えているのかに注目が集まるようになっています。
 
そうでないと、人の行動の要因が的確に理解できないことが
はっきりしてきたからなんですね。

ですから、私たちは、人の心理を理解する出発点として、
人の頭の中にはワガママな3人の王様たちが住んでいるのだと
いうことを念頭に置く必要があります。

このワガママな3人の王様の領土はそれぞれ、
爬虫類脳、動物脳、人間脳であり、それぞれ自分の欲求のまま
振舞おうとするため、この3人は常に葛藤を起こしているのです。

この葛藤の結果として、様々な人間の行動が生まれているのです。


*「ワガママな3人の王様」のたとえは、脳の3層構造について
わかりやすい説明をしてくれている本から借りました。

ジュラシックコード(渡邊健一著、詳伝社)

これは、なかなか面白い本ですよ。

投稿者 松尾 順 : 2005年12月26日 11:53

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