照れ笑いのメッセージ

先日、事務所に若い男性2人連れがやってきました。

「こんにちは、雑貨屋のウエンディと申します。
 雑貨の訪問販売で、このあたりを回っているんですが。
 いかがですかあ? えへっ・・・(照れ笑い)」

訪問販売で「雑貨」を売るのは珍しいのですが、
年に1、2回はこうした人たちがやってきます。

おそらく、販促品か何かの在庫処分が目的でしょうね。
マルチドライバーセットとか、ラジオ付非常用ライトとか、
一見便利そうなもの。あれこれつけて千円、というのが
お決まりのパターン。

実は、私は以前1回だけ、つい買ってしまったことがあります。
販売員のお兄さんの説明のノリが良く、
うまく乗せられてしまいました。

その時、何を買ったのかもはや覚えていませんが、
どんなモノであったにせよ、役に立っていないことは確かです。
(笑)


さて、今回の2人。
スーツを着ていたものの、学生アルバイトのような印象。

彼らのセールストークの語尾の

「いかがですかあ?えへっ・・・」

という照れ笑いがポイントでした。

言葉で表現しづらいのですが、この「えへっ」は明確な
メッセージを発信していました。

この照れ笑いの表情を見た瞬間、私は、
彼らに次のような心情があるのが読めてしまったのです。

(すいません、仕事の邪魔しちゃって。
ろくでもないものを売りに来ました。
私たちも、仕事の命令で仕方なくこうやって回ってるのです。
買ってくれなくてもいいんですよ・・・)

ですので、私も間髪入れずに、にっこり笑って返しました。

「いえ、結構ですよ!」

彼らもほっとした表情で、

「あ、そうですか、失礼しました!」

とあっさり引き下がりました。

彼らと私の心が通じ合った瞬間でした。(笑)

売り手は売る気がなく、買い手も買う気がない。
お互いにそんな心を見透かしつつ、
トラブルに発展しないよう、穏便な社交的会話を行った。


彼らが帰った後、
私は、ノンバーバル、つまり言葉以外の態度や表情、
といったものが持つコミュニケーション力は
すごいなと思ったものでした。

相手の気持ちを言葉や非言語など、あらゆるものを
手がかりに推量しようとするのが「心の理論」と
呼ばれるものです。

ただ、「心の理論」といってもとっつきにくいので、
私は、あえて超能力、第六感と誤解されてしまうことを
承知の上で、「マインドリーディング」(心を読む能力)
と呼ぶことにしています。

上記のやる気のない販売員との会話でもわかるように、
私たちは小さいころから他人との交流を通じて相手の
気持ちを読む力を高めていきます。

人の心が的確に読めるようになればなるほど、
社会生活も円滑になるからですね。
(たまに、大人になってもこの能力のない、
 天上天下唯我独尊の人もいますけどね)

さて、この先日の出来事のおかげで、
「マインドリーディング」、つまり相手の心を的確に読む力を
高めるための理論や方法論をきちんと体系化することは
やはり皆さん、特にマーケターの方々に有益だという思いを
強くしました。

今年は、よりいっそう、「マインドリーディング」に
力を注いでいきたいと思っています。

投稿者 松尾 順 : 2006年01月04日 08:03

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