消費者ロールプレイ

消費者の心を的確に読む一番の方法は、
自分が消費者になりきること。

つまり、当事者の立場に自分を置くことです。

これは、何度でも繰り返し強調する価値のあることだと
思っています。

昨年12月にこのメルマガで取り上げた「ローソン100」の
担当者は、ターゲットの主婦になりきるため、実際に自分で
スーパーで買い物をし、料理をしてみることで、
主婦の心を読めるようになりました。

>該当記事のブログ「一生懸命生活しましょう」


この当事者になりきることを新商品開発のための「仕組み」と
して取り入れたのが、日本コカ・コーラです。
(日経情報ストラテジー、2006年2月号より)

この仕組みとは、「ロールプレイング」と呼ばれるもの。
生活者のある役割を演じてみることで
気づきや実感を得ることが目的です。

日本コカ・コーラでは、2005年1月のアイディア合宿で
この手法を初めて試してみました。

このときのテーマは「睡眠」。

参加者の中には、マットレスを持ち込んで寝る場面を再現したり、
横になりながら自分の考えを整理したりする人もいました。

この新たな手法に基づいて生まれた新商品のひとつが、
2005年9月発売の「翌朝ぷるるん」です。

同社の杉山繁和氏(経営戦略本部経営情報部統括部長)は、

「断片的な机上のアイデアを生活者の動きや目線に合わせて
結びつけるのに適した手法」

と評価しています。


すでに食傷気味のコメントで恐縮ですが、
現代の顧客は、新製品としてどんなものが欲しいか聞かれても、
もはや答えることはできません。
顕在ニーズはもはや充足されすぎているからです。

もちろん、潜在ニーズはまだまだたくさんあるでしょう。
しかし、文字通り、潜在ニーズは消費者の無意識の奥深い
ところに沈殿しています。簡単には取り出せない。

したがって、沈殿した潜在ニーズを引っ張り出してもらおうと
消費者にアンケート調査を求めるのは、マーケターとしては
あまりに怠惰ですし、たいした成果は期待できません。

まずは、自分自身が一消費者の立場をロールプレイし、
無意識の奥底まで潜り、潜在ニーズらしきもの、つまり仮説
を取り出してくる必要があります。

アンケート調査は、あくまでその仮説の検証に用いるための
ものです。

まずは、消費者のロールプレイから。
コカ・コーラさんみたいに、フォーマルなやり方をわざわざ
取り入れなくても、今日今からできますね。
自分の生活、消費行動をターゲットにできるだけ近づけ、
同時に一歩引いて自分の心理を観察すればいいのです。

そういえば、極端な例として挙げられるものとして、
ユニチャームの高原会長(男性)は、生理用品の開発に当たって、
みずから着用して生活してみたという話が有名ですね。
幼児用紙おむつも試してみたかどうかは知りませんが。(笑)

投稿者 松尾 順 : 2006年01月12日 10:42

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