何となくアマダナ

家電品の正式名称は「家庭電化製品」。
なんか正式名称って古臭いイメージありますね・・・

家電品は、要するに「電力」を使って家庭生活を便利にする
機械ですが、もちろんまず重要なのは、機能や使い勝手です。

でも、実際には機能や使い勝手で大きな差が出せないので
価格の安さで勝負しているのが現状。

ただ、市場で売れる価格、つまり「マーケットプライス」
(市場競争価格)で利益が出ることを前提に設計を行うと、
どうしても平凡な商品になりますね。

量販店の家電品コーナーを回ってもあまり楽しくないのは、
どれも似たようなものが並んでいるせいでしょう。


さて、

「美しいカデンを世の中に出す」

をコンセプトとする新しい家電品ブランド

「amadama(アマダナ)」

はご存知でしょうか。

ディスカウントストアでは2-3千円で買える
オーブントースターは、アマダナ製になると1万5千円。

熱を出す家電品ではご法度の天然木を使った取っ手が
特長的な家具のようなデザイン。

インナーイヤー型のヘッドホンは、本体のところに
天然の竹を使っています。使い込むと本体があめ色に
なじんでくるんでしょうか。1万2千円です。

LOHASに代表されるナチュラル志向のおしゃれな生活に
しっくりなじむアマダナブランドは、じわじわと人気を
広げているようです。


先週書いた「大衆化に逆戻りする消費者行動」では、
機能、性能などで差がよくわからないから、
他人の意見や行動に「右にならえ」してしまうトレンドを
指摘しました。

しかし、アマダナのような「美しさ」を
売りにするブランドの場合、
他人の意見や行動はあまり重要ではありません。

「美しい」と感じるかどうか、は各自の主観的評価。
美しさを測る尺度はあまり明確でないだけに、

「私がいいと思ったらいい」
「好きだから好き」

といった根拠なき理由を押し通すことができます。

したがって、実用面ではほとんど価値のない、
製品の「美的要素」ににおいて、自分らしさを表現する余地が
残されているアマダナのようなブランドこそが、
これからの市場を引っ張っていく存在になるように思います。
(アップルの製品もまた、その典型的・古典的例で、
いまさら引き合いに出すのははばかられますが)


ところで、「アマダナ」は、2003年に設立された家電メーカー、
「リアルフリート」社の基幹ブランドですが、
同社内で交わされる、アマダナを展開するに当たってのキーワード
が面白いのです。

それは、

「何となくアマダナ」


客に「何となく買ってしまった」と言わせたい。
商品の魅力が明確にわからないようにして「何となく」
のオーラを出す。

ブランド選択時に、
頭で考えてロジカルな比較検討を行うのではなく、
無意識にわかってしまう、
感覚的・情緒的価値を高めようとしているのが
「アマダナ」なんですね。

投稿者 松尾 順 : 2006年01月23日 12:16

コメント

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投稿者 Elaine : 2006年05月12日 05:04

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