ユーザーが主役

連休の半分は、家の用事のため自宅に張り付いていた私ですが、
インターネット無しの世界にはもはや住めない体質です。

メールは毎日チェック、最近は、ミクシィ、グリー、楽天日記
など、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も
日課になっています。

こうしたメールやSNSのように利用頻度の高いものは、
当然ながら使い勝手の良さや、自分の好きなデザインかどうか、
などが大事になってきますよね。

実際、あまり深く理由を考えたことはないのですが、私は
ミクシィがなんとなく使いやすいように感じて、
最も多く利用しています。

こんな、使い勝手やイメージのちょっとした(大きくない)
差異が、ミクシィが日本最大のSNSへと成長した背景に
あるのかもしれません。


一方、米国最大のSNSは「MySpace」です。
今年後半には、日本進出を計画していることが報道されました。

しかし、実は、米国のSNSで最初に成功したのは
「Friendstar」でした。特に10代に人気があったんですよね。

ところが、後発の「MySpace」に
あっという間に追い越されてしまった。


技術面、デザイン面では、明らかに「Friendstar」が優れている
というのがIT専門家の一致するところ。

なのに、なぜ「Myspace」が勝ち、「Friendstar」が負けたのか。


この理由は、「Myspace」はユーザーの自由を許したのに、
「Friendstar」は、ユーザーの行動を規制したことに
あるようです。

たとえば、「Friendstar」では、デザインに厳しい制約を置いて
いたため、ペットの写真の投稿を禁止したそうです。
一方、「Myspace」は、ユーザーの好きなようにページをデザイン
させました。

結果として、Myspaceには、デザインセンスの欠けた極端に
見苦しいページも登場したそうです。でも、
そうした自由さが、特に10代のユーザーに受けたんですね。


「Myspace」のページを私は見たことはありませんが、
見た人によれば、“10代の子供たちの「寝室」のよう”だと
形容しています。散らかし放題の子供部屋を連想させるようです。

大人が見れば「ちょっとはキレイにしたら?」と言いたく
なるものですが、子供たちにとっては、その乱雑さが居心地
いいわけなんですよね。


この話は、編集会議(2006.6)のウェブニューストピックスの
記事から拾ったものですが、

結局、誰のためのサービスなのかを企業は理解しておくべき
だということ、

また、ユーザーが主役であるという視点(いわゆる
「顧客中心主義」ですね)でサービスを設計、運営しないと
ユーザーから簡単に見放されてしまうということ、

なんでしょうね。

投稿者 松尾 順 : 2006年05月08日 13:48

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デイリーブログ『マインドリーダーへの道』 [続きを読む]

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コメント

松尾先生:

先日まで数度キャリアコンサルでお世話になりました、S.O.です(本名名乗れず済みません)。

今月、メルマガ読むのを溜めていまして、本日やっとこの記事まで至りました(新しいものから順に読んだので)。

mixi仰有る通りと思います。
mixiは単なるSNSで語られてしまうことが多いのですが、

 ブランディングの上手さ

がもっと言われていいと思います。ほんわかムードの頁デザインも重要で、あれを個人個人にデザイン選択させただけでも、いまのmixiになれたか怪しいと思います。

mixiは、お客さんの能力の見切り方と機能の切捨て方も上手い。お客さんの設定で、PCを使いこなすに至らない人が、きらーくに書く場面を最初からきちんと決めていたように感じます。

Amazonのサービス利用でも、またまた最近のiTUNEのサービス利用でも、ちゃんとmixi風にするようで、ビックネームの名前をうまく利用していますね。

SO

p.s.: mixiでは

    SO(せるげーO)

   という名前でやっております。
   ほんとうにお時間がある時にご覧下さい。

投稿者 SOです : 2006年05月25日 03:05

SOさん、ども。

微妙な差が勝利を分けるということがありますね。
端的にいうとセンスの差でしょう。

投稿者 松尾 順 : 2006年05月25日 05:56

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