ホテル業界の見えない次元ポジショニング

「宿泊客は将来、ホテルのロケーション(立地)より、
 ‘ブランド’を重視する」

ニューヨーク大学が今月、
ホテルの経営者を対象に実施した調査では、
回答者の多くがこう答えたそうです。
(日経産業新聞、2006.06.28)


この回答は、逆に見れば、
ホテル経営者たちが、これからは

「‘ブランディング‘に力を入れていくべきだ」

と考えているとも読むことができますね。


実際、
シェラトンやメリディアン、ウエスティンなどを傘下に抱える
スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドのCEO、
スティーブン・へイヤー氏は、

「我々が売るのは、ベッドのある部屋ではなく、
 ブランドが象徴する生活スタイル」

と強調しています。


では、なぜここまでホテルもブランドにこだわるようになって
きたのか。

実は、やはり昨日お話した

見える次元・見えない次元

が関係しています。


要するに、ホテル業界でも、
運営や設備といった見える次元での差異化が限界に来ているわけです。

例えば、ウエスティンホテルでは、
99年からベッドの質向上を図り、「ヘブンリーベッド」という
キャッチコピーを前面に打ち出してきました。
しかし、ハイアットなどのライバルも次々と高級化路線を追求し、
もやはベッドの質の面での優位性が失われてしまいました。
(実際体験したことないんですけどね・・・)


そこで、見えない次元での差異化、つまり独自のポジショニング
に取り組むしかなくなったのですが・・・

ホテル業界における見えない次元での独自のポジショニングを
確立するため重要な要素は何かおわかりですよね?

そう、顧客接点におけるコミュニケーション。

なかでも、とりわけ大切なのは、
ホテル内で顧客が出会うホテル・スタッフとのやりとり。

必ずしも言葉を交わすかどうかは問題ではありませんよね。

顧客とすれ違うときのスタッフの仕草や微笑み、
そんなノンバーバルなコミュニケーションを含むリアルな経験が、
ブランドイメージ形成に最も大きな影響を与えますよね。

こうした、リアルなブランド体験は、再現不可能なだけに、
競合が真似することは簡単ではない。
だからこそ、独自のポジションを確立・維持しやすい。


人材育成に最大の力を注いだリッツ・カールトンホテルが、
設立以来短期間のうちに、
極めて高いブランドイメージを構築できたのは
このブランディングのKFS(Key Factor for Sucess)を
わかっていたからでしょう。

また、一度は閉鎖の憂き目に合った
洞爺湖の「ザ・ウインザーホテル洞爺」が
不便なロケーションにも関わらず高い稼働率を達成し、
黒字化を果たすことができたのも、
ホスピタリティあふれるスタッフによる
「見えない次元のポジショニング」が成功したからであること
も間違いありません。

投稿者 松尾 順 : 2006年06月28日 15:41

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コメント

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投稿者 visit : 2012年02月03日 03:47

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