「ぴあ」の蹉跌・・・勝負に勝って、ビジネスに負けてどうするの?

顧客の満足度、また好意的なブランドイメージ形成に
大きな影響を与える接点(コンタクトポイント)として、
最近特に重視されるようになってきたのが、

「コールセンター」(コンタクトセンター、カスタマーセンター)

ですよね。

単に、注文を受けたり、問いあわせや苦情に対応する
「インバウンド」業務だけでなく、顧客に対して積極的に
アプローチして売上にダイレクトに貢献する「アウトバウンド」
業務も含め、インターネットによる自動化が進む中で、
生身の人間同士が対話する貴重な接点です。


製品自体には大差のない今、
コールセンターの対応の良し悪しで、
企業や製品ブランドに対する印象がガラリと変わってしまう。

以前のように、経費を食うコストセンターとして軽く扱っている
ことはできないわけです。


ただ、コールセンターは入れ替わりの激しいオペレーターの
採用・教育が大変で、質を維持するのはなかなかに難しい。

コールセンターを「必要悪」くらいにしか思っていない、
いまだ本質の見えていない経営者もいると聞きます。

このため、オペレーターの志気があがらず、
ずさんな顧客対応が起きることも当然ながらあるわけです。


さすがに、「ぴあ」ほどの優良企業ではそんなことはないだろう
と思ってましたが、そうでもなかったようです。


今回は、私の友人が今、リアルタイムで体験している
コールセンター顧客対応の「ダメダメ事例」をご紹介します。


友人(Aさんとしましょう)は、プラチナチケットを狙って、
エントリーボックスの予約(先行の先行)を電話で行いました。
(自動音声対応)

席は無事ゲット!やったね。

カード番号、認証番号も入力し、最後に「予約番号」を
確認のため入力しなければならなかったのですが、
自動音声がよく聞き取れません。

なんど聞いても予約番号がよく聞こえない。
このため、確認番号を何度か入れ間違ったところ、いきなり

「申し訳ないですが予約をお引き受けできません」

というアナウンスとともに電話が切れてしまいました。

あわててかけ直したものの、もはや席は確保できず・・・


Aさんは、当然ながら、この件でコールセンターの
オペレーターに電話をかけて対処をお願いしたのですが、

予約は、もはやできません、申し訳ない、すいません

と杓子定規な回答を繰り返すだけ。
上司にも取り次ぎません。

オペレーターの対応に「誠意」が感じられず、
これだけでも「ぴあ」のコールセンターには大きな問題が
あるのでは思えるのですが、その後のやりとりで、
極めつけの「悪回答」をAさんに寄越しています。

・今まで予約番号案内音(低音の女性の発声)が
 聞きにくいという報告受けたことは「一切」ない。
・(Aさんの)電話機の問題ではないか?


この回答のなにが問題かというと、
オペレーターが顧客に対して、
正面切って勝ち負けの勝負に出てきているという点です。

つまり、

「どちらが正しいか、間違ってるか」

をはっきりさせようじゃねぇか、と開き直っているわけです。

これは、真に悪質なクレーマーであった場合にのみ
許される最後の顧客対応でしょう。

なぜなら、結果がどう転んでも顧客の感情は害されて
しまっていますから、今後の取引継続は望めないからです。


しかし、Aさんは、実は10年来のぴあ会員です。
ぴあのロイヤルカスタマーです。これは会員履歴をみれば
すぐにわかること。

また、今回のトラブルは、たかだかチケット数枚の話。
悪質でもなんでもありません。


現在、Aさんとぴあのやりとりは続行中ですが、
結果次第では、ぴあ会員の退会もありえるでしょう。

わずか数千~万円程度のトラブルで、Aさんの今後の生涯売上
をふいにしようとしているわけです。


話が飛ぶようですが、
小売業では、理由のいかんに関わらず返品を受け付ける
という対応が一般的になってきてますよね。

「Customer is always right」

お客様は常に正しいのだ、という考え方をベースにして
いるわけです。

仮に顧客側の過失が返品理由であったとしても、
快く返品を受け付けることで、好意的なブランドイメージ
形成と、長期的にはロイヤル顧客の育成につながるからです。


ひるがえって「ぴあ」の対応は、

ぴあさん、
勝負に勝つのはいいけど、ビジネスに負けてどうするの?

と聞きたくなるようなものですよね。


さて、結末はどうなることやら。

投稿者 松尾 順 : 2006年09月22日 13:19

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mindreading.jp/mt/mt-tb.cgi/288

このリストは、次のエントリーを参照しています: 「ぴあ」の蹉跌・・・勝負に勝って、ビジネスに負けてどうするの?:

» buy facebook fans from buy facebook fans
「ぴあ」の蹉跌・・・勝負に勝って、ビジネスに負けてどうするの? [続きを読む]

トラックバック時刻: 2013年12月26日 04:51

» buy facebook fans from buy facebook fans
「ぴあ」の蹉跌・・・勝負に勝って、ビジネスに負けてどうするの? [続きを読む]

トラックバック時刻: 2013年12月26日 04:51

» assassin's creed revelations download from assassin's creed revelations download
「ぴあ」の蹉跌・・・勝負に勝って、ビジネスに負けてどうするの? [続きを読む]

トラックバック時刻: 2014年01月18日 20:42

コメント

ESが低いところはほぼ確実にCSも低いんだと思います。

さらに、CSの高かった企業も、その上にあぐらをかき始めるともう大変。
Dellも脱税摘発、auだってあんなキャンペーンやってて大丈夫なんでしょうか?

そもそも“CSナンバー1”って自分で言ってしまうセンスって、「俺ってもてるんだぜ!」と主張する田舎モノそのまんまだと思うのですが。

投稿者 課長007 : 2006年09月22日 23:48

課長007さん、まいど!

コメントありがとうございました。

いい状態を持っていくことも大変ですが、
維持し続けることもまた大変だということでしょうね。

投稿者 松尾順 : 2006年09月23日 12:21

コメントしてください




保存しますか?