不安を解消するための情報提供

「顧客視点」に立つこと、つまりお客様の立場に自分を
置いて考えるというのはなかなか難しい。

これは、私自身も実感していますし、
繰り返しこのメルマガ&ブログでも指摘してきました。
(耳タコすいません)


だとするなら、お客様からの声をどんどん吸い上げて、
それを迅速に商品開発、改善に反映させるという仕組みを
構築するというのがひとつの解決策になりますね。

昨日ご紹介したサントリーさんは、
そうした仕組みを既に安定的に運用し、相応の成果をあげて
いたわけです。


サントリーのお客様センターにまつわる話は、
桜缶事件や、伊右衛門のラベル表示以外にも、いろいろと
興味深いネタが手に入りましたが、
もうひとつだけご紹介したいのが、サントリーのチューハイ、

「-196℃」

のことです。


このチューハイは、果物を-196℃で瞬間凍結する
「瞬間フリーズ製法」により、果実本来の味わい
が楽しめるというのが売りです。

たとえば、「冷凍レモン」では、
皮も含めてまるごとのレモンがチューハイの中に
閉じ込めてあると、発売当初から宣伝してましたよね。


この「-196℃」に対して、お客様センターの元には、

「確かにおいしい」

というポジティブな「ご指摘」も寄せられましたが、
ネガティブな「ご指摘」としては、

「皮には、防カビ剤など、ポストハーベスト農薬が
 使われていないだろうか。残留農薬が心配だ」

というのが多かったそうです。

もちろん、サントリーとしては、
残留農薬などに対する対策は万全でした。

しかし、そうしたことについての情報は、
当初はまったく提供していなかったんですね。


しかし、消費者に指摘されて初めて、
製品の良さを伝えるための情報だけでなく、
不安を解消するための情報も併せてきちんと提供しないと
販売を阻害してしまうことに気づいたというわけです。


サントリーのお客様センターには年間12万件の消費者の声が
届くそうですが、その内容を分析すると、
近年は、やはり

環境問題やリサイクル

に関するものが増加しているそうです。


また、食の安全性についての意識は、
女性の方が高いという先入観を抱きがちですが、
実際には、食物に含まれているかもしれない

「農薬や防カビ剤が心配」

と考えるのは、男性の方が高いのだそうです。


やはり、先入観や思い込みにとらわれず、
丹念に消費者の生の声を集め、
分析することが必要だということですね。

投稿者 松尾 順 : 2006年11月29日 14:52

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