家族を楽しむ

このところ、幼児~小中学生の子どもを持つ30-40歳代の親を
ターゲットにした「育児・教育誌」の創刊が続いていますね。
(PRIR、2007 January「シリーズメディア研究」)


具体的には次の5誌が挙げられます。

「日経Kids+」
「プレジデントFamily」
「edu」
「AERA with Kids」
「FQ JAPAN」


上記のような最近刊行された「育児・教育誌」の特徴的な点は、
従来の子育て、教育を扱った雑誌のメインターゲットが女性
だったのに対し、男性がメインターゲットになっているものが
出てきたことです。

これはもちろん、子育てや教育に積極的に関わっていいたいと
考える男性が増加しつつあることの反映だと言えるでしょうね。


PRIRの記事では、時事通信社調べのアンケート

「父親の育児参加に関する意識調査」

の結果が紹介されてますが、

‘母親と育児を分担して積極的に参加すべき’

との回答が、20歳代では約50%、30歳代で40%超に達します。
(50歳代では、同約20%、40歳代で同約30%)


すごいですね。

20歳代の男性の2人に1人は、
育児に積極参加したいと考えているわけです。


口先だけじゃなくて、ほんとに育児参加できるのかい
などと、40歳代の私なんかは思ってしまうのですが、
ともあれ

「育児のことは妻に任せる」

という古い考えの持ち主は、
近い将来、少数派になる可能性が高いですね。


さて、同記事の中で、絵本作家/キャラ研の代表取締役社長、
あいはらのりゆき氏は、家族のあり方が変容しつつあるのでは
ないかと指摘しています。

企業と社員との関係のあり方が変化し、
父親が、以前のように会社に依存したり、
会社の中に自分の存在価値を見出すことが難しくなったこと。

一方で、子どもに関する事件やいじめなど、
母親だけで解決できない問題が増加してきたこと。

こうした状況に直面し、父親はただ収入を得ればよい、
威厳を保っていればよいという存在にとどまらず、
家庭をいかに営むかを考えるようになってきたわけです。


また、あいはら氏は、

「親自身も子育てや教育を楽しもうという意識が
 生まれているのではないか」

「父親・母親はかくあるべし、
 という固定概念に囚われることなく、
 自分たち家族の楽しみ方や幸せを目指す、
 という家庭は今後も増えていくと思います」

とも述べています。


収入格差・生活水準格差の広がりという懸念材料は
あるものの、おおむね物質的には充足された日本では、

人生も仕事も家族も、

「いかに楽しむか」

がこれからのメインテーマであることは間違いないと思います。

投稿者 松尾 順 : 2006年12月06日 10:34

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mindreading.jp/mt/mt-tb.cgi/336

このリストは、次のエントリーを参照しています: 家族を楽しむ:

» www.sunwoomanufacturing.com from www.sunwoomanufacturing.com
デイリーブログ『マインドリーダーへの道』 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2013年10月26日 15:34

コメント

昨日は、お疲れ様でした。あの後、モッチなどと食事に行き、楽しい時間を過ごしました。自分の歌のできにはショックで1日落ち込んでしまいましたよ。
さて、家族意識の変化についてです。仕事がら興味を持たざる得ないトピックスですね。父親の意識が高まってきたのは非常に良いことだと思いますが、昨年の国民生活白書を見ると男性の育児参加の時間は、ここ数年あまり増えていないのが現状です。アジア諸国の中でも、日本の男性の平均帰宅時間は非常に遅いようです。高収入で独身、貧乏人の子沢山に流れが分かれる感じもしますね。どちらが幸せか難しいところです。
ご指摘の『家族を楽しむ』。まさに企業としては、それをキャッチフレーズにしようとするところは多いですよね。ファミリーエンタテイメント。でも、実際は、なかなか難しい。
私は、慎ましやかで精神的に豊かな生活に子沢山の生活が理想ですが、子どもたちは余裕が無い。できりだけ援助をしたいと思いますが自立心を妨げるのも良くないしなど、悩ましいです。それから、私のマイミクの<ずきんうさぎ>さんは、USのサスペンスの翻訳家です。お嬢さんも好きな道が見つかると良いですね。

投稿者 落下傘 : 2006年12月08日 11:07

コメントありがとうございます。
次回は時間があると思うので都合あえばランチ行きましょう!

最近、男性はますます忙しくなっており育児の時間はとりにくくなっているというのは確かだと思います。

だからこそ、なんとかしたいという気持ちが高まっていると見ることができますよね。

投稿者 松尾順 : 2006年12月08日 11:45

コメントしてください




保存しますか?