旅行のクチコミサイト フォートラベル

先日、@NBC勉強会で、現在急成長中のネットビジネス、

「フォートラベル」

の社長、津田全泰さんの講演を聴く機会がありました。


フォートラベルの設立は2003年10月。
2005年に「カカクコム」の傘下入りをした新興ネットベンチャー。
現在、スタッフ数は、契約、アルバイト含み21名です。


売り上げは年商3億円を超え、儲かってます!

同社の収益源は広告。
いわゆる純粋な広告掲載からの売り上げが半分、残り半分は、
クリック課金型や成約ベースの広告(アフィリエイト)です。


フォートラベルのWebサイトは、

「旅行情報」

を提供することで旅行好きのユーザーを集客し、
JTBなどの旅行会社や、ホテル、航空会社などの
「旅行予約サイト」に誘導する各種広告を掲載する

というのがビジネスの基本的な仕組みです。

要するに、「旅行情報誌」のネット版です。

既に、このカテゴリーでは、
大手の「るるぶ.com」「AB-ROAD.net」などを抜き、
最大のユーザー数を獲得しているそうです。


さて、同サイトの場合、旅行情報は、旅行会社などから
提供されたものではなく、基本的に一般消費者の
「旅行体験記」で構成されているというのが特徴です。


同サイトの「トラベラー会員」として登録すると
自分専用の「旅行ブログ」が開設でき、
自分が行った旅行の体験を書いて公開することができます。

また、ブログという形ではなく、ハワイなど観光地について
自分が知っている情報を「クチコミ情報」として投稿すること
ができます。

つまり、旅行者自身の「クチコミ」が集積されているのが、
フォートラベルなんですね。

トラベラー会員は、現在2万5千人ほどですが、
掲載されている旅行記は10万件(冊)、旅行写真は150万枚、
クチコミ情報は4万件の規模に達しています。

一見、ユーザー数はそれほど多いとは感じられません。

しかし、それでもこれだけのクチコミ情報が集まり、
メディアとして十分な広告収入を生み出すことができるんですね。


フォートラベルのような、
多種多様、ある意味雑多なクチコミ情報をベースとするビジネス
の成功のカギは何かおわかりでしょうか。

それは「情報編集力」です。

そのままでは使いづらい生のクチコミ情報を
わかりやすい切り口で整理し、参照しやすい、検索しやすい形に
情報を加工してサイト訪問者に見せてあげることが重要だという
ことです。


この点について津田さんは、次のように言ってました。

会員から投稿された情報はそのままでは

「CGC(Consumer Generated Content)」

に過ぎない。
つまり、ただ情報が溜まっているだけの状態であり、
フォートラベルでは、こうした情報を自動・手動編集することに
よって、「メディア」としての価値を持つ

「CGM」(Consumer Generated Media」

に変えていくノウハウが強みです。


なお、類似の先行事例には化粧品のクチコミサイト

「@コスメ」

がありますね。


蛇足ながら、実は、フォートラベルとほぼ同じビジネスモデル
を構想していた友人がいました。

企画書を見せられたのは2002年頃だったように思います。
仮のサイトもいちおう立ち上げてましたね。

当時彼は大手企業に勤めていて、片手間にやろうとしていたよう
ですが、やはり両立は難しかったようです。


フォートラベルは、最初の1年半くらいは、
津田さんともう一人の創業者の2人でがんばっていたそうです。

事業成功のもうひとつの鍵は、当事者の熱意、覚悟にあることを
痛感させられますね。

投稿者 松尾 順 : 2006年12月08日 11:37

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