雑誌の創刊ノウハウから学ぶ

Webサイトは、「情報財」をくるむためのITベースのパッケージ。

その本質は、コンテンツ(情報)であってITではないですよね。

Ajaxなどを活用したどんなにすばらしい最新の機能であっても、
それは、「情報」を

見つけやすく、あるいは、わかりやすく、楽しくする

ためのものに過ぎません。


インターフェイスデザインやユーザビリティも同様。

つまり、あくまでも、「コンテンツ」(情報)が主役であり、
その他の要素は、すべて引き立て役だと言い切ってもいいと
思います。


「コンテンツこそキング」です。

ですから、機能、デザイン、ユーザビリティ以上に
コンテンツの質、量、鮮度には配慮しなければならないはず。

ところが、現実には、コンテンツがおざなりであったり、
更新が十分でないWebサイトが目に付きますよね。

これは、企業のサイト上の情報編集能力が弱いためじゃないかと
私は推測しています。

どの企業も、サイト構築自体は
外部制作会社に相応のお金を払ってやってもらうことをしますが、
不思議と運営については予算がほとんど計上されていません。


だから、外部のプロに頼むことができず、
内部で細々と片手間にやってしまうということになりがち
のようです。

結果的に内容的にもプアで、かつ更新されない情報が永久に
掲載され続ける「ゾンビサイト」になりがち。


そういう悲惨なWebサイトにしないために、
私は、週刊や月刊など、継続的な発行を前提とした雑誌編集の
ノウハウをWebサイト運営にもっと取り入れるべきだと日ごろ
から考えています。


そこで、今日は、ハーストマガジン前社長、ギル・モウラー氏
の雑誌創刊で成功するポイントをざっくりご紹介します。
(編集会議、2007.01)


「もっともすばらしい雑誌、最も成功している雑誌は、
 人々が過去に望んだ情報を提供したりしない。」

「それらは、人々が将来望みそうなものを直感的に理解し、
 雑誌に掲載している」

「すなわち、雑誌を作り出すものにとっては、それを雑誌に
 表現できるか、できないかが、成功と失敗の分かれ道になる。」


モウラー氏はこのように語っていますが、
これは、雑誌にとどまらず、あらゆる商品開発に通底する原理原則
と言えますね。


モウラー氏の考える4つの「Don't」(してはいけないこと)

(1)自分のアイディアにほれ込んではいけない(現実的な限度を
   超えて過大に将来を予測してはいけない)

(2)「ミー・トゥ・アイディア」(ものまね)で成功できると
   考えてはいけない

(3)小さなターゲットに焦点を当ててはいけない

(4)経験より希望にかけてはいけない。現実離れした事業計画、
   無料の宣伝といった希望はすべての誤りのスタート
   (経験を通じて、現実的な雑誌運営を学べ)


そして、基本の10のルール。

(1)常に読者を意識する

(2)読者は常に一人である。一人の読者の姿を頭の中に明確に描く

(3)ターゲットの状況ではなく、ニーズを編集する

(4)「ライフスタイル」という文字を多用しない(なぜなら、
   ぼやけた夢想家のようなイメージだから)

(5)雑誌のキャッチフレーズは、明確に、鋭く、簡潔に

(6)キャッチフレーズは具体的な安心感を与える効果のあるものに

(7)1音節の言葉が決め手。分からない言葉は絶対に排除すべき

(8)最初にカバー・ライン。まず最初に、表紙のカバー・ライン
   にキャッチコピーを書く。それから該当する編集材料を作る

(9)誘い文句が重要。具体的には、どのように、なぜ、秘密、
   告白、医者、豊富な、セックス、すばやく、今、簡単、
   やせる、勝つなど。

(10)アートディレクションはさりげなく


上記についての細かい解説は省きますが、モウラー氏の言っている
ことを読むと、雑誌創刊は、事業立ち上げであり、
またマーケティングそのものでもあることがわかりますね。

投稿者 松尾 順 : 2006年12月14日 16:08

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コメント

我が社でも、制作会社に「作りたいイメージは?」と聞かれ、「日経ビジネスじゃなくてウェッジで!」などとやってましたが、そんな入り方でもよかったんでしょうかね。(泣)

投稿者 課長007 : 2006年12月15日 01:30

課長007さん、まいど!

イメージの伝え方としてはいいんじゃないでしょうか?
ただ、Web制作会社さんが、必ずしも情報編集について詳しいとは限らないので、ウエッジらしい編集方針が何かについてはかみくだいてお伝えするのがベターだったんじゃないでしょうか。

投稿者 松尾順 : 2006年12月15日 12:43

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