命を賭けたデザイン 第4章:研究所侵入

「ご苦労様です!」

S電機本社社員になりすましたジョージは、
他の警備員に挨拶して研究所内に堂々と入っていく。
誰も疑うものはいない。

しかし、監視モニターに写ったジョージの姿を大友は
見逃さなかった。


「いいか、現場を押さえるんだ!」

大友は部下たちに配置につくよう命じた。


「こっちよ」

ひとみに誘導され、ジョージはデザイン原器の保管場所まで走る。
すべて手はずどおりにことが運び、厳重なゲートもくぐりぬけた。

今や、デザイン原器はジョージの手の中にあった。


「そこまでだ!」

大友が姿を現した。
警備員たちが銃を構えてジョージを取り巻いている。

ジョージはスキを見て逃げ出す。
焦った警備員たちは一斉に拳銃を発射し始めた。
ジョージもやむを得ず応戦。研究所内は白煙に包まれた。


「どこだ、あいつはどこにいった!」

ジョージの姿が消えた。
プロのスパイの方が1枚も2枚も上手だったのだ。

ジョージはこんな事態になる場合も事前に想定して、
しかるべき逃走方法を準備していたのだった。

それはひとみも聞かされていなかったことだった。

(続く)

投稿者 松尾 順 : 2007年01月04日 09:22

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mindreading.jp/mt/mt-tb.cgi/375

このリストは、次のエントリーを参照しています: 命を賭けたデザイン 第4章:研究所侵入:

» 課長007の選んだアルファブロガー from 課長ほど素敵なショーバイはない!?
遅まきながら、投票イベントへの投稿記事です。 FPN-アルファブロガーを探せ 2006 のお知らせ FPNでは、「日本のアルファブロガーを探せ」と銘打... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年01月04日 21:03

コメント

コメントしてください




保存しますか?