「ネガティブ・エクイティ」を受け入れ活かす

ブランディングは、端的に言えば、
ターゲットユーザーの頭の中に、自社の商品に対して理想とする
イメージを形成すること。

つまり、「ポジティブなイメージ」を植えつけて、
ユーザーの期待感を高めることです。

赤福で言う「先味」。

経営コンサルタントの石原明氏は、
実際の商品自体が優れていることは大前提として、まず

「良さそうに思える」

ことが大事だと言っています。

これは、商品のよさをまだ知らない新規ユーザーにとって
特に重要な点です。

「良さそうに思えない」と、
そもそも試してみる気にならないからですね。


だから、ネーミングやパッケージデザインなどが
ブランディングで重要な要素になるわけです。


しかし、どんなに「ポジティブなイメージ」を植えつけたいと
思っていても、そもそも商品が持つネガティブな特性(欠点)を
隠すことは困難です。

最近は、ネットを通じて詳細情報の入手が容易になりましたし、
欠点をわざと隠して美点だけを訴求しても、
消費者には簡単に見透かされてしまいます。


きれいごとを言えば言うほど、

「自分たちに都合のいいことしか言わない会社」

というネガティブなイメージが強化されていく時代です。


そこで、逆転の発想。

商品の持つネガティブな特性(「ネガティブ・エクイティ」)を
理解し、受け入れることから活路を見出す手もあります。
(PRESIDENT、 ハーバード式 仕事の道具箱、2007.2.12)


例えば、米国で販売しているリプトンのインスタントスープ、

「カップ・ア・スープ」

は、これまで優しさに溢れる早親と笑顔の子どもの広告を
通じたブランドイメージを一貫して形成してきました。

しかし、このイメージが通用したのは70年代まで。


今日では、

まともな親なら、多くの科学調味料を使用し、
栄養分の少ない食べ物を家庭での夕食の一品として
出すことはない

というネガティブな事実を担当者が素直に受け入れ、
当該製品のポジションを変更。(リ・ポジショニング)


「カップ・ア・スープ」をオフィスでの軽食として、
午後遅く一息入れるときのスニッカーズやコークに代わるもの
として売り込むことにしました。

こうして、同商品のネガティブな特性が問題とならない
新しい文脈を見つけたことで、20%の価格引き上げを
行ったにもかかわらず累積売り上げで60%増を記録したそうです。


もはや、企業側が一方的な情報操作ができない今、
ネガティブな側面を見ない振りをしたり、隠そうとせず、
それを直視し、どうやったらマイナスをプラスに転じるかに
知恵を絞るべきなんでしょうね。

投稿者 松尾 順 : 2007年01月23日 10:23

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