ブランド・プレミアム

「ブランド」が確立されていると、
そうでない他の商品よりも優先的に選択され、
また多少高くても、そのブランドを選んでしまう。

このブランドが持つ価値のことを

「ブランド・プレミアム」

と言いますね。


日経デザイン最新号(2007年2月号)では、
これを「ブランド代」(ブランド貢献度)と呼んで
消費者調査を通じて数値化する試みをやっています。


今回の調査対象商品のうち、
このブランド貢献度がもっとも高かったのが、
男前豆腐店の豆腐でした。

豆腐の標準的な相場価格(基準価格)を120円とした時、
いくらまでなら高くても男前豆腐を買いますかという質問の回答
によれば、平均価格は「143円」となっています。

これは、基準価格(120円)の19.2%増し。

この比率が「ブランド貢献度」、すなわち
「ブランドプレミアム」と呼べる数字です。


ちなみに、1位から5位までは次の通り。

1位 男前豆腐店「男前豆腐」
2位 シーキューブ「チョッコラータドーロ」
3位 メルセデスベンツ「Sクラス」
4位 プラスマイナスゼロ「加湿器」
5位 セイコーエプソン「カラリオ」


なお、男前豆腐については、

「内容量と価格が同じだった場合、
一般的なメーカーの豆腐と男前豆腐のどちらを買いますか」

という設問(ブランド支持率)に対して、

回答者の80.3%が

「男前豆腐を買う」

と回答しており、男前豆腐のブランドパワーの強さを
感じさせる数字となっていますね。


さて、私がこの調査で最も興味深いと思ったのは、
シャープの「アクオス」です。


シャープは、2000年に当時の社長が

「5年後に液晶テレビに置き換える」

という目標を掲げ、
以来、一貫したブランディングを継続してきました。


その結果がどうなったかというと・・・


「基本機能、性能、価格が同じだった場合、
 一般的なメーカーの製品と「アクオス」のどちらを
 買いますか」

というブランド支持率を測定する質問に対して調査対象者は、

「88.7%がアクオスを買う」

と答えています。このブランド支持率は今回の最高値。

10人のうち9人が、
条件が同じなら「アクオス」を選好するというのは
すごいですね。


ブランド貢献度については、40万円の基準価格に対して、
平均41万6748円、つまり「基準価格の4.2%増し」です。

つまり、アクオスなら、他の商品より4.2%割高でも
買いたいと思うということですね。

ただし、基準価格が40万円と絶対額が高いですから、
100円そこそこの豆腐などと単純に比率で比較することに
ついては注意が必要ですが。


また、

「ソニーの液晶テレビ「ブラビア」と比較して、
基本機能、性能、価格が同じだったらどちらを買いますか」

という設問に対しては、なんと84.7%の人が、

「アクオスを買う」

と答えています。


世界的なトップブランド「ソニー」も、
液晶テレビ分野では、「アクオス」に完璧に
負けているわけです。


地道で継続的なブランドづくりの有効性が実感できる調査結果
じゃないかと思います。


うろ覚えですが、2000年当時は、液晶テレビの将来性はまだ
不透明で、当時の社長いわく、

「液晶テレビに注力する」という決断には相当勇気が必要だった

というのをどこかで読んだ覚えがあります。


ブランディングは息の長い企業活動だけに、
トップのコミットメントがきわめて重要です。

投稿者 松尾 順 : 2007年01月24日 10:09

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