グーグルを凌駕するかもしれない検索サービス
世界最強のネット企業、「グーグル」
もはや、その地位は揺らぐことはないように思えますが、
今年、強力なライバルが登場しますね。
2005年設立、サンフランシスコの「パワーセット」です。
実は、まだサービス開始してませんが・・・
試作版(英語版)のサービス開始は、今年末を予定。
日本版も準備中です。
(日経新聞、2007/03/14)
パワーセットの検索サービスの特徴は「自然文検索」です。
Googleも含め、従来の検索サービスでは、
調べたい内容に関連した単語(キーワード)を入力しなければ
なりません。
しかし、パワーセットは、例えば、
“1996年にIBMが買収した会社はどこだったのか?”
と文章をそのまま打ち込むことができます。
すると、高度な自然文解析機能を使って、
調べたい内容を的確に把握し、適切な検索結果を返してくる。
検索結果の精度はグーグルを上回るようで、
将来、検索サービスの分野ではグーグルをしのぐのではないかと
期待されています。
なるほど、面白いことになってきました。
昔の巨人軍(たとえが古い・・・)ではありませんが、
一人勝ちほど見てて面白くないものはありません。
グーグルが焦るような新興サービスが
どんどん登場してほしいものです。
さて、パワーセットのサービスの行方ですが、
英語版での成功の確率はかなり高いんじゃないかと思います。
グーグルに追いつくのは当然ながらそう簡単ではありませんけど。
しかし、日本版ではかなり苦労するでしょう。
アンケートの自由回答(つまり自然文)や、コールセンターへの
問い合わせなどを分析する「テキストマイニング」の仕組みを
ご存知の方は特によくおわかりになると思いますが、
日本語の自然文の解析は、英語よりもはるかに難しいんですよね。
なぜ日本語の解析が難しいかの説明は、
その説明自体が難しくなりますので止めておきますが、
ともかく、日本語版では、検索精度を上げるのに苦労することに
なると思います。
ところで、検索サービスについては、そもそも、
「検索サービスの精度は、高ければ高いほどいいのか」
という疑問を投げかけておきたいと思います。
確かに、調べたいことにドンピシャの結果が得られた方がいい。
でも、一方で、適度に精度が甘いほうが、
思いもしなかった検索結果が現れ、それをクリックすることで
新たな発見や気づき、学びを得ることができます。
こうした、偶然的な未知との出会いを脳は大好きです。
脳科学者、茂木健一郎氏は、ネット上においては、
「偶有性」
が重要だと言っています。
「偶有性」とは、ある程度は何が起こるか予測できるが、
100%完全には予測できないことです。
現在の検索サービスは、ノイズが多すぎる面もありますが、
たまに「こんな情報があったのか」という発見の喜びがある。
まさに「偶有性」の世界。
茂木氏によれば、「偶有性」は脳を活性化させます。
以前も書きましたが、次に何が起こるか全くわからない状態は
人を不安にさせます。
しかし、ある程度起こる範囲が分かっている中で、
予想もしなかった展開があるかもしれないという偶有性的状況
は、人をワクワク、ドキドキさせてくれるんです。
実際、完全な予定調和の世界は、面白くもなんともありませんよね。
投稿者 松尾 順 : 2007年03月15日 11:50
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