「自分語り」なプロフ

「プロフ」

とは、自己紹介するためのホームページのこと。

この「プロフ」が女子高生の間で大流行しているんだそうです。
(日経産業新聞、2007/03/22)


女子高生に強いマーケティング会社、(株)ブームプランニング
によれば、

全国の女子高生の50%以上、首都圏に限れば70%

が「プロフ」を所有しています。


プロフには、PC用もありますが、
女子高生の利用は圧倒的に携帯電話用です。

携帯からプロフ用のサイトにアクセスすると、
そこには氏名、年齢から始まって、趣味や好きなタレントなど、
40-100項目におよぶ多種多様な質問が用意されています。


彼女たちがそれらに答え、また自分の顔写真を貼り付ければ

「自己紹介ページ」

が完成するというわけ。


さて、私が気になったのは、
ブームプランニングの代表取締役、中村泰子氏が、
「プロフ」を活用する女子高生たちの一般的な傾向として、

「自己表現には腐心する反面、相手には関心を示さない」

という点を指摘されていたことです。


さらに、中村氏は次のような分析を行っています。

「女子高生の会話を聞くと、自己中心的で自意識過剰という
 気がする。こんな傾向が強まる中でプロフが登場し、
 受け入れられたのではないだろうか」


なるほど。
もっと自分のことを知ってほしい、語りたいという
「自分語り」のために

「プロフ」

は、格好のツールなんでしょうね。


ただ、自己中心的で自意識過剰という傾向が
強まっているのは、女子高生だけではないように思います。


たとえば、mixiなどのSNSで話題になっている「読み逃げ」。

これは、マイミクでつながっている友人・知人のページに
アクセスして日記などを読んだのに、コメントを残さない
のはずるい、よくない、「読み逃げ」だという批判です。


あなたは、「読み逃げ」はずるいと思いますか?

私はずるいと思いません。
コメントを書き手が強要するのは変です。

コメントを残す・残さないは読み手の自由でしょう?

そもそも、特に「自分語り」の強い日記などの場合、
コメントを残すのが難しいことが多いですしねぇ・・・


ですから、「読み逃げ」のような考え方が生まれるのは、
一般の人々においても、自己中心性、自意識過剰性が
強まっているということを示しているんじゃないでしょうか。


ちなみに、個人が自分のホームページを持つ理由についての
先行研究(国際比較)によれば、他国と比較して日本人の場合、
自分自身の性格や意見などをホームページに呈示している傾向が
高いことがわかっています。


つまり、以前から、特に

「自己開示」「自己表出」

の手段としてホームページを利用することが多かったのが
日本人です。


「プロフ」もまた、この日本人の基本的な志向にぴったり
はまったということでしょう。

「SNSの使われ方」についての国際比較研究は、
まだあまり行われていないと思いますが、おそらく、
日本人と他国の人ではずいぶん違うんじゃないでしょうか。


*以下参考文献です。

「ウェブログの心理学」
(山下清美、川浦康至、川上善郎、三浦麻子著、NTT出版)

投稿者 松尾 順 : 2007年03月22日 11:49

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コメント

「自分語り」ですか。
いい表現ですね。
ただ、女子高生でもオンラインでもなく、この傾向が強い人いますよね。
飲み会で、しきりに自分のことばかりしゃべる人とか。

まぁ、今日、自分のBlogで久々に(?いつもか?)「自分語り」な内容を書いてしまったので、ちょっと冷や汗かいていますが・・・。

「読み逃げ」問題に関しては、その「書かれた内容」に大きく依存すると思います。
文脈がなく、「文章としての態をなしていない」記述が数多く散見されます。そんな内容は熟読する気にもなれず、コメントしようにもコメントできない。
「読み逃げ批判」する人がどれくらいいるのかわかりませんが、その人達はその文章をアップする前に何度読み返しているのでしょうか。そして、読んだ人が理解できる。または面白く思う、もしくは共感してくれると思ってアップしているのでしょうか。

誰もが安易に情報発信できる環境(技術)だけが整い、本当の意味での「リテラシー」が高まっていない現代に不安を感じるのは私だけでしょうか。

あ、今回のコメント、少し「自分語り」になってます?

投稿者 金森努 : 2007年03月22日 13:16

あの、「自分語り」って、それ自体悪いことじゃないですよね。というか、みんなやってることです。何事も度を過ぎると周りがつらいということですけど(笑)

読み逃げ批判をする人は、そもそも読み手を楽しませようという意識がないんじゃないですかね。というのも、そのつもりだったら、コメントがないのは、自分の文章が面白くなかったからだ、とか自分の方に原因を求めるはずです。

ようするに、読み逃げ批判の人は、書くことも自己満足で、しかもコメントしないと怒るという、どこまでも自己中心的な人なのかもしれません。

投稿者 松尾 : 2007年03月22日 15:31

同感です。

「読み逃げ」という単語自体、変なニュアンスですね。
ニフティのフォーラムの時代にも、
「ログインした以上、発言すべき」という
過敏な倫理観が主張されたこともありました。
デジタルに振り回されている感じがしますね。

投稿者 喜山 : 2007年03月23日 07:28

ニフティ時代にも、読み逃げ的批判があったとは知りませんでした。いつの時代も、過度に自己中心的な人はいるものですね。

投稿者 松尾順 : 2007年03月23日 11:16

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