「切る」「捨てる」発想(1)

「シンプルマーケティング」

の著者であり、近著の

「ヒット商品を最初に買う人たち」

も好調に売れているスーパーマーケター、
森行生さんが、珍しくムック本に登場されていました。


森さんは、

「予測する力養成講座」(講談社MOOKセオリーVol.11)

の中で、上記の本には書かれていないノウハウを
明かしてくれています。

そこで、ポイントを2回に分けて簡単にご紹介しておきます。


テーマは、

「ヒット商品の見極め方」

です。


森さんによれば、商品がヒットするかどうかは、

“ヒットしない要素をしっかり削ってあるかどうか”

で見極めることができるのだそうです。


なぜなら、ある商品がヒットするかどうかがわかる
(予測できる)確率は、せいぜい5-7割。
しかし、ダメな商品、ヒットしない商品は100%わかる。

ですから、

“商品からヒットしない要因を消してしまえば、
 ヒットする確率は大幅にアップするというわけです。”

とのこと。

そして、ここで大切なのが、

「切る」あるいは「捨てる」という発想

です。


商品のターゲットを設定するとき、
売る側としてはついついたくさん売りたいものだから、
ターゲットを広げすぎてしまいやすいですよね。

しかし、そうすると、ターゲットが広い分、
商品の訴求ポイントも拡散し、
何がなんだかわからなくなってしまいます。

ですから、まずは

「買って欲しくない層」

をきっちり決めることが大切。


「切る」「捨てる」発想によって
ターゲットを絞り込み、せいぜい3つまでにする。
これがマーケティングの基本であり極意。

この作業によって、ユーザーが分かりにくい要素が
すっきりと排除されると、森さんは指摘しています。


そして、この基本ルールを端的に言い表したのが、

「一目、一言、なるほど」

というフレーズ。


具体例としては、花王の「ヘルシア緑茶」。

一目で、「お茶」とわかる。

一言は、「カテキンが脂肪を燃やす特定健康用食品」

そして、メタボリック症候群を気にしている肥満の人に

「なるほど、身体にいいんだ」という共感をもたらす。

このように、ヘルシア緑茶の特徴やベネフィットが、
「シンプルでわかりやすい形」で消費者に伝わったから
ヒットしたのだそうです。


確かにヒットする商品は、
その魅力がシンプルに伝わってきます。

大ヒットしている任天堂のゲーム機、

「Wii」

なんかもそうですね。

投稿者 松尾 順 : 2007年08月09日 12:42

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