影響力を解剖する(1)イントロダクション

今日からしばらく、「影響力」とは何かということを
文字通り徹底‘解剖’した本、

『影響力を解剖する』

の内容を「徹底的」にご紹介していきたいと思います。


「影響力」といえば、ロングセラー本となっている

『影響力の武器-なぜ、人は動かされるのか』

がありますね。


『影響力の武器』は、

‘相手からどうやって「YES」を引き出すか’
 (つまり「どうやって影響を与えるか」)

について、さまざまな分野の実践家(営業マンなど)の観察
を元に、実践的な説得テクニックが紹介されているものです。

ビジネスパーソン必読書と言っていいでしょう。


一方、

『影響力を解剖する』

は、説得テクニックにも多少触れられていますが、
より学術的に、「影響力」そのものを掘り下げています。

したがって、「影響力」の背後にある

「原理・原則」

を理解することに役立つ内容です。


アマゾンで見ると、現在本書は古本でしか入手できません。
おそらく絶版になっているものと思われます。

しかし、本書は、
高度な内容がわかりやすく記述されている良書です。
もったいないので、このブログ&メルマガでポイントを
しっかりお伝えしたいと考えています。


さて、

「人が、他の人に対して何らかの働きかけを行うこと」

すなわち「他者に影響力を与えること」は、
社会心理学の分野では、

「社会的影響」

と呼ばれています。


「社会的影響」とは、

・個人と個人の間

または、

・集団と集団の間

で影響を及ぼしあうことです。


ここで、「影響を及ぼす」というのは、

個人(集団)が、
他の個人(集団)の態度、行動、感情などを
前者の望むように変化させるために、
何らかの形で後者に働きかけること

です。

営業担当者が、見込み客に「購入」を
踏み切らせる「営業行為」はその典型例ですね。


したがって、
「影響力」を解剖するためには、

・影響の与え手(Influence Agent)
・影響の受け手(Influence Target)

という2者の関係があること、
そして、与え手から受け手へと影響を及ぼす

「働きかけ」(影響行動)

があるということを

「基本的な枠組み」

としている点をまずご理解ください。


---------------------------------------------
   「影響力」解剖のための基本的な枠組み
---------------------------------------------

影響の与え手 →→→→→→→→ 影響の受け手
         (働きかけ:影響行動)

---------------------------------------------


なお、本書では、集団ではなく、主に個人間での

「影響の及ぼしあい」

に焦点があてられています。

では、次回から本格的にこの本を読み込んでいきます。


『影響力を解剖する』
(今井芳昭著、福村出版)

『影響力の武器-なぜ、人は動かされるのか』
(ロバート・B・チャルディーニ著、誠信書房)

投稿者 松尾 順 : 2007年08月13日 14:12

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コメント

覚えていらっしゃるかわかりませんがご無沙汰しております
一足先に夏休みで帰省して参りました。

「影響力を解剖する」の紹介楽しみにしてます。

また枠組みの紹介だけですでに面白そうな香りがしたので
古書ですが購入してみました。
メールと一緒に読み進めていきたいと思います。
(といっても到着は3日後かなぁ・・・)

投稿者 はぐれヲタ : 2007年08月13日 17:48

はぐれヲタさんこんにちはー♪
私も注文しましたですよ。

投稿者 開米瑞浩 : 2007年08月13日 18:10

はぐれヲタさん、開米さん、まいど!

お二人とも早速古書を購入されたとは!
さすがです。

本書に書いてあることは、基本中の基本ですが、
そこをまずきっちり押えるのが重要ですよね。

投稿者 松尾順 : 2007年08月13日 22:59

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