魚ロッケ?・・・もったいない食堂

以前、リサイクルショップの生活創庫浜松本店では、

「野菜のリサイクル」

に取り組んでいるという話をご紹介しました。


規格よりも大きすぎたり、形が曲がっているなどの理由で、
味は変わらないのに市場には出せないため、
そのまま廃棄されてしまう野菜を生産者から引き取り、
店頭で「朝市」を開いて格安で販売しているのです。


さて、私たちの多くは野菜生産の実態を知りませんが、
安心して食べられる無農薬・有機野菜の場合には、
虫食いの跡もあったりしてさらに売りにくい。

このため、できた野菜の半分近くが
やむを得ず捨てられてしまうこともあるようです。
(もちろん自家用で消費しても使い切れない分です)

いやはや、もったいない話ですね。


こんな浮かばれない、
不揃いな野菜たちを使う家庭料理のレストランがあります。


その名もズバリ、

「もったいない食堂」

です。2005年に熊本に誕生しています。


運営会社は、97年から自然食レストランを運営してきた
地元企業の(株)ティア。

ちなみに「ティア」は、

「土と命と愛ありて」(Tuchi-Inochi-Ai)

から取っているそうです。


「もったいない食堂」の基本コンセプトは、

「日本の食を守る食堂」

です。

前述したように、
市場に出せない無農薬・有機野菜は見た目が規格外なだけ
ということで、ちぎってサラダに使うなどの工夫をしています。

これは

「もったいない野菜」

と呼んでいるそうです。


また、

「もったいない魚」

も使っています。


魚市場では「色箱」と呼ばれるものがあります。

この箱には、カレイやヒラメなどの高級魚も入っているのですが、
1種類で1箱に満たない様々な魚が寄せ集められているもの。

この「色箱」、1箱数百円の値しかつかないのだそうです。
びっくりですね。

もったいない食堂ではこうした魚たちも有効活用すべく
仕入れています。


さらに、ひと山いくらで安く売られている「豆アジ」。

10-15センチほどの真アジのことですが、
小さいため養殖用として利用されているものの、
人が普通に食べてももちろんおいしい。

そこで、もったいない食堂では、
これをたたき身にしてコロッケとしてメニュー化。

「魚ロッケ」(ギョロッケ)

です。


もったいない食堂は、
開店から2年間は赤字だったそうです。

しかし、今は健康的で安心して食べられる、
肩肘張らない家庭料理のお店として
地元の人たちの支持を受け繁盛しています。


規格から外れている、しかし安全で安心して
食べられる食材を使うレストランは、ティアに限らず
全国あちこちにありますよね。

最近の消費者の最大関心事の一つが、
食についての不安や懸念ですから、
こうしたLOHAS的な店は今後ますます増えるでしょうね。


蛇足ですが、「ティアの家族達」と呼ばれる店、
つまりティアの系列店は、九州を中心に10数店ありますが、
そのうち1店は、私が生まれ育った福岡の田舎(八女)の実家から
車で5分ほどのところにあることを知りました。

今度帰郷した際、立ち寄ってみようと思います。


*以上は「生活と自治」(2008年3月号)、
 およびインターネット上の各種情報を元に作成しました。

→ティア長崎銅座店

ティア本体のホームページはないようです。


『野菜のリサイクル』

投稿者 松尾 順 : 2008年04月22日 11:33

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コメント

このブログでは乳製品不足の記事はないようですが、いちおうご報告まで。

バター不足については数年前に牛乳余りで大量廃棄処分となったことから生産者が乳牛の数を減らして国内の生産量を下げ、こんな状況に。というのが飲食関係筋から聞いている話です。計算間違いということ?うちのクライアントさんでも泣きが入っている会社けっこうあります。

でも、一般消費者としては海外のバター等は高騰しているものの手に入らないことはありませんのでご安心を。欧州のバター美味しいですよね♪

投稿者 イヌブシ : 2008年04月22日 12:06

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