「藻(も)」で軽油を作る!

北海道洞爺湖サミットの成果の目玉は、

「2050年までに温室効果ガス排出量を半減させる」

ということですが、
この目標がお題目で終わることなく、
実際に達成されるためには、

「化石燃料」(石油・石炭など)

の消費量を抑えるだけでなく、
化石燃料に替わる新エネルギーの開発・普及が鍵ですよね。

今注目されているのは、トウモロコシなどから作られる

「バイオマス燃料」(エタノール等)

ですが、これには副次的な問題が発生しています。


最近知ったのですが、
今後、かなり期待できる新エネルギー生成方法の一つに、

「藻類」(水の中で育つ、あの「も」です)

を使って「軽油」を作るというものがあります。


藻に含まれる微生物の中には、
大気中の二酸化炭素(CO2)を取り込んで軽油を
生成するものがあるそうなんですね。
(通称「オイル生成菌」)

この「オイル生成菌」を活用すれば、
大気中の二酸化炭素を減少させつつ、
同時に油が手に入るので一石二鳥です。
(もちろん、この油を使うと、二酸化炭素が再び大気に
 戻りますが総量が増えるわけではないですね)

*軽油は、ディーゼル車に使われます。


しかも、藻類を利用することには、
バイオマス燃料よりも優れた点がいろいろとあるのです。

現在、主にバイオマス燃料として利用されている
トウモロコシや大豆類は生産地が限られています。

年1回しか収穫できないため生産量も限定的。

また、食料としての競合問題を引き起こし、
食料価格の高騰を招いています。


一方、藻類はほぼ1年中育成可能で、
しかも育成できる地域はあまり限定されません。
育成にもそれほど手間がかからない。

したがって、世界の多くの地域で、
藻から軽油が大量に生産できるというわけです。

最新情報によれば、自動車部品メーカーのデンソーが
2013年までに、藻類から軽油を年間80トン生産する計画を
発表しています。

この取り組みにはおおいに期待したいですね。

投稿者 松尾 順 : 2008年07月12日 16:59

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