「ロゴス文明」から「ホロス文明」への社会進化

「地球は、“ひとつの生命体”であり、
 地球に存在するすべての物質や生命は、
 相互に結びつき、関係し合っている」


ジェームズ・ラブロック氏の「ガイア理論」では、
上記のような考え方を提唱。

当初は多くの学者たちから強烈な批判を受けましたが、
現在は、ほぼ「定説」となりました。


そしてまた、

「物質も生命もすべてが結びつき合っている」

ということ、言い換えるなら、

「天地同根万物一体」

であるという点は、
最新の量子物理学の枠組みにおいて、
説明可能であることがわかってきています。


ですから、私たちが時折感じることのできる、
気の合う仲間たちとの一体感、あるいは、
大自然に囲まれたときに沸々と湧いてくる
動植物たちとのつながり感は、

「スピリチュアルな幻想」

に過ぎないのではなく、
科学的に説明できるリアルな現象と言えます。


さて、この一体であるはずの地球を、
その構成員でありながら、崩壊させつつあるのが、
私たち「人類」ですね。

こうした警鐘もまた、つい最近までは、

“極端なエコロジー思想にとりつかれた人々の
「たわ言」に過ぎない”

と無視したり、バカにする人がほとんどでした。


しかし、もはや、市井の一般人でさえ、

「なんか地球、まずいことになってきてるぞ・・・!」

という実感を禁じえないほどの状況にまで
来てしまったように思います。

そして、従来の考え方、生き方を続けるわけに
はいかなさそうだと、誰もが明確に自覚しつつあります。

「包括的進化論(GET)」の紹介記事で
述べたように、現在、私たちは、

「社会」や「精神」の新たな進化

が求められる「岐路」に立っているわけです。


アヴィーン・ラズロ氏によれば、
現在の私たちは、

「進化か絶滅か」

という地球規模の転換点=マクロシフトに
近づきつつあると述べています。

そこで、ラズロ氏は、
望ましい社会の進化の方向性として

・現在の権力と征服を重視する「ロゴス文明」(理性重視文明)

から、

・個人の成長と、人間のコミュニティと生物圏の持続可能性
 を核とした「ホロス文明」(全一性重視文明)

への移行を提唱しています。


ホロス文明は、
既にその芽が大きく成長しつつあります。

そして、この文明をリードしているのが、
例えば、社会学者のポール・レイ氏が消費者調査に
基づいて提唱した

「文化的創造性を持つ人々」(Cultural Creatives)

であり、日本なら、
消費社会研究家の三浦展氏が命名した

「シンプル族」

だと言えるでしょう。


ホロス文明の主役になるであろう彼らは、
現在は依然として周辺部にいる人々であり、
決して主流派ではありません。

しかし、消費動向において、
明確な徴候を捕捉できるくらいの規模まで
じわじわと増えてきています。

ですから、ビジネスの視点で言えば、
企業が、ロゴス文明からホロス文明へと、
その基本思想を切り替えることができない限り、
これからの消費者の心を動かす商品開発や
コミュニケーションはできないということが
言えるのではないでしょうか?


『グローバルブレイン 未来への鍵‐地球崩壊を止めるために
 よりよい世界へ向かう世界頭脳のクォンタムシフト』
(アーヴィン・ラズロ著、吉田三知世訳、バベル・プレス)

『シンプル族の反乱 モノを買わない消費者の登場』
(三浦展著、KKベストセラーズ)

投稿者 松尾 順 : 13:39 | コメント (1) | トラックバック

包括的進化論 - GET( General Evolution Theory) - 後編

ダーウィンが提唱した「進化論」では当初、
自然淘汰を通じて、生命の種の進化は段階的に起こる、
つまり‘少しずつ’変化していくと考えられていました。

このことについて、ダーウィンは、
植物学者のリンネに倣って、

“自然は跳躍しない”

と断言しています。


しかし、研究が進むにつれ、

「進化は跳躍的である」

という説の方が有力となってきています。


既存の種は存続している間、
ほとんど変化(=進化)しないのです。

そして、外部環境の変化に伴い、
それまで優勢だった既存の種が適応困難となり、
絶滅の危機へと追いやられます。

一方、周辺部で偶然に出現した新種や亜種が、
新しい環境で優勢となっていくのです。

こうして、既存種から新種・亜種へと

「進化の跳躍」

が起こるというわけです。


では、社会全体の進化について考えてみましょう。

社会の場合も、生命と同様、
次のような進化のプロセスが観察されるのです。

中心部に居座り、優勢な大多数を占める

「変化しない人間」

が大きな環境変化に直面して不安定な状況になります。
(しかしなかなか変わろうとはしない)

一方で、周辺部に孤立させられていた

「少数の人間」(おそらく奇人・変人と呼ばれた人たち)

が、環境変化に乗じて多数派に挑戦し、
中心部へと侵入して、ついに多数派を追い出して
しまうのです。


これは企業の栄枯盛衰をイメージすると
わかりやすいでしょうね。

以前、日経ビジネスが、

「会社の寿命30年説」

を提唱しましたが、実際、ひとつの企業が
その時々の環境変化に柔軟に対応し、
段階的な進化を長期的に続けるケースは、
あまり多くありません。

ほとんどの場合、既存の企業は滅び、
新しい時代に適応可能な新興企業が取って
代わります。


アーヴィン・ラズロ氏は、
社会の変化もこのように跳躍的であり、
稀にしか起こらないこと、
そして、進化を引き起こす

「きっかけ」(誘引)

としては、大きくは以下の3種類がある
と述べています。

*新しい種の誕生をもたらすという意味で
 「分岐」という言葉をラズロ氏は用いています。


1 T分岐

新しい技術の登場によって、
既存の社会が不安定となります。

そして、新しい技術を積極的に導入した
人間たちが形成した新しい社会が古い社会
を呑み込んでしまうものです。

いわゆる産業革命が典型的なもの。

20世紀末から始まったデジタル・インターネット革命
もまた、私たちの社会を根底から作り変えつつあります。


2 C分岐

様々な紛争によって誘引された進化。

いわゆる政治的な革命です。
国際的な戦争や内戦が伴う場合もあります。

「革命」は、

「旧体制」

を不安定化させた脅威や難問に対応できるような、
制度、行動、価値観を作り出すという機能を
担っているようだ、とラズロ氏は指摘しています。


3 E分岐

経済危機や社会危機によって誘引される進化。

まさに今、私たちが経験している経済危機も
そのひとつかもしれません。

しかし、目先の「経済危機」以上に深刻であり、
適切な「社会の進化」(さらに言えば「精神の進化」)
が求められる誘引があります。

それが

「地球環境問題」

です。


地球は、ひとつの生命体であり、
自己調節機能を持っているという考え方があります。

これは「ガイア理論」と呼ばれるもので、
地球の環境(空気の組成や気温など)を

生命に適した一定のレベルに維持する力

を地球全体として持っているというものです。


ところが、人間は、社会の進化の過程において、
まるで、地球は人間の占有物であるかのように扱った結果、
地球が持っていた自己調整機能を破壊しつつあります。

その悲観的な末路はもちろん人類滅亡ですね・・・


私たちは、自らがもたらしたものですが、
人類史上最大の危機といえるE分岐上にいます。

周辺部にいた地球環境保護を重視する人たちが
中心部へと勢力を拡げ、利己的な利益を重視し、
むやみな経済発展を推進してきた多数派の人々を
蹴散らしつつある。

私たちは、E分岐による跳躍的な社会進化を
今体験し、また目撃しているのだと言えるのかもしれません!


(参考書籍)

『進化の総合真理』
(アーヴィン・ラズロ著、吉田三知世訳、バベル・プレス

『ガイアの復讐』
(ジェームズ・ラブロック著、竹村健一訳、中央公論新社)

投稿者 松尾 順 : 13:35 | コメント (0) | トラックバック

包括的進化論 - GET( General Evolution Theory) - 前編

私たちが

「進化」

という言葉を聞いた時、ほとんどの方は

「生物の進化」

をイメージするかと思います。


まあ、最近は、

「ウェブ進化論」
「プロフェッショナル進化論」
「ブランド進化論」
「読書進化論」

といったように、
比ゆ的に使われるケースも多いので、
人によってずいぶん違ったイメージが
湧くかもしれませんね。


さて、「進化」という言葉が表す

「変化のパターン(の共通性)」

に着目し、宇宙全体のあらゆる事象に適用可能な、
拡張された概念としての、新しい「進化理論」が
提唱されているのをご存知でしょうか?


これは

包括的進化論 - GET( General Evolution Theory) -

と呼ばれています。(以下「GET」)

当理論の創始者は、ピアニストかつ哲学者の
アーヴィン・ラズロ氏。


ラズロ氏は、

「進化の総合真理」(バベルプレス)

の中で、次のように述べています。

“この新しい「進化」の概念が意味するのは、
 生物の進化だけではなく、我々が知っているものと
 しての宇宙のなかで、出現し、存続し、変化し、
 また消滅する、すべてのものの進化である”


そして、GETについては、

“ある学問が科学と呼ばれるに必要な、
 基本的な規範を満たしており、日々経験する無秩序と
 思える様々な出来事の根底にある、包括的・網羅的
 かつ一貫性のある意味を見出すことを目指している”

のだそうです。


ラズロ氏は前掲書において、
以下の4つの領域の進化プロセスについて
詳述しています。

1 物質

 宇宙の誕生から始まる物質の形成プロセス

2 生命

 生命の誕生以来、今日に至るまでの生物の進化プロセス

3 社会(歴史)

 特定の関係にある人間の集合からなるシステム(系)
 である社会の存続、発展、消滅のプロセス
 
4 精神(mind)

 端的には、知覚や思考、感情、想像、価値観などの経験
 を意味する「精神」の進化プロセス


さて、私が、
「GET」に対して興味を抱いた理由は2つあります。

ひとつは、今後の社会や個人の大きな変化の方向性を
予測するのに役立つだろうということ。

(それは、最終的には日々の人々の消費行動・社会行動
 にも反映されてきます)

もうひとつは、「地球温暖化」、「人口爆発」など、
人間を含む生命圏全体の絶滅につながりかねない

危機的状況(人間自らが招いたものですが)

において、まさに大きな

社会的進化・精神的進化

が求められている今、
どのような進化が求められるのかという

理想像

を描くために活用可能であることです。


ラズロー氏も、

“今日わたしたちに与えられた課題は、
 「いかに進化するべきかを知れ」である”

と述べています。


GETは、まだ十分に確立された理論とは言えず、
また、私自身、理解が追いついていません・・・

したがって、現時点では、

「こんな考え方がありますよ」

という紹介しかできませんが、
今後のビジネス展開においても使える理論
ではないかと思っています。


後編では、社会の進化における
3つの典型的パターンについてご紹介したいと
思います。


『進化の総合真理』
(アーヴィン・ラズロ著、吉田三知世訳、バベル・プレス)

投稿者 松尾 順 : 12:31 | コメント (0) | トラックバック

どんなときでも平気で生きることが悟り

福井の永平寺78代貫首、宮崎奕保(えきほ)さん。

宮崎さんは60歳を過ぎて肺結核に罹り、
生死をさまよいました。

宮崎さんはこの病気を克服し、
106歳で大往生を遂げられていますが、
この体験を通じて宮崎さんの

「死生観」

がガラリと変わってしまったそうです。

宮崎さんはそれまで、

「いつでも死ねる覚悟ができていること」

が悟りだと考えていたそうです。

しかし、病気を克服した後は、

「どんなときでも平気で生きること」
が悟りだと気づいたのだそうです。

この言葉は、
どのように解釈すればいいのでしょうか?


生きているとつらいことにも
たくさん出会う。悩みも尽きることはない。

それでもあきらめない。生きようとする。
命の炎を燃やし続ける。

おそらくそういうことなんじゃないかなと
思います。


*以上は、NHK「あの人に会いたい」から。
宮崎さんの言葉は記憶に頼っています。

投稿者 松尾 順 : 10:22 | コメント (0) | トラックバック

擬似エンジン音

ハイブリッドカーや電気自動車の

「静か過ぎる走行音」

が問題になってますね。

特に、後方からだと、
クルマが近づいていることに
歩行者が気づきにくいからです。


電気モーターは、

「ガソリンエンジン」

と違って音が小さいのが利点なのですが、

「対人安全性」

の観点からは、弱点になるんですよね。


ハイブリッドカー、電気自動車の接近を
歩行者が気づきにくい点については、
かなり以前から指摘されていたことです。

これまで、具体的な対策がほとんど行われて
いなかったのがちょっと不思議・・・

私は、早晩、

「擬似エンジン音」

が必要になると思っていたのですが。


そもそも、現行のガソリン車でも、
エンジンの音が精妙にチューニング
されていることはご存知ですよね。

ドアの閉まる音だって、特に高級車の場合、
ふさわしい「クラス感」を与えるように
調整されていますし。

逆にスズキ・アルトは、

「47万円」

という衝撃安値をひっかけて登場した時、
コストをぎりぎりまで削減したことを感じさせる

「パシャン」

みたいな情けないドア音でしたけど。


まあ、燃費が良かったり、環境に優しいだけじゃなく、
室内の静音性、走行音の静かさも大きな「ウリ」なのが、
ハイブリッドや電気自動車です。

後から、わざわざ、本来

「ノイズ」

であるエンジン音を付け加えるのは、
開発者・技術者として、なかなか踏み切れないこと
ではあるんだろうなと共感しますけどね。

それにしても、擬似エンジン音は、
電子音になるでしょうから、けっこう簡単に
作成・変更できるはず。

となると、メーカー・車種独自のエンジン音を
「ブランド」の一貫として打ち出す方向性と、
購入者の好みのエンジン音にカスタマイズ
できるという方向性の両方がありえますね。

投稿者 松尾 順 : 17:31 | コメント (4) | トラックバック

飛ぶコンピュータ!

数年前、ISIS編集学校(松岡正剛校長)が主催した

「アイディアコンテスト」

がありました。

これは、某家電メーカーとのタイアップで行われたもの。


テーマは、

「超リモコン」

です。


テレビやエアコンなどに欠かせないリモコンですが、
現在のリモコンを

‘超える’

斬新なデザインや機能を持つリモコンのアイディアを
出すのが当コンテストの狙いでした。


そこで、私が当時提出したアイディアは、
ひとことで言うと、

「鳥(ちょう)リモコン」

でした。

「ダジャレ!」ありきではないのですが、
自分で空を飛べるリモコンなのです。

外見は、オウムくらいの大きさの小鳥。

人と自然文で対話しながら、
人とマシンの仲立ちをしてくれます。

好きな名前をつけて
ペットのように付き合える関係。


既存のリモコンは、
どこに置いたかすぐにわからなくなって
探すのが面倒ですよね。

でも、鳥リモコンは、

“リモちゃん、どこいるの?”

と呼びかければ、

“ハーイ、今行きます、ご主人さま!”

などと答えてすぐに飛んできてくれます。


さて、私の考えた「鳥リモコン」は、
ほぼ実現不可能な

「夢物語的アイディア」

のつもりでしたが、
類似のアイディアの実現にむけて
研究している方がいらっしゃるんですね。

つい最近知りました。


一日中、ウェアラブルコンピュータを身に付け、
頭にはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を
装着しているちょっと変わった先生、ご存知ですか?

時折、テレビなどにも登場されるこの先生は、

塚本昌彦氏(神戸大学工学部電気電子工学科教授)

です。


塚本氏は、見た目はいかにも

マッドサイエンティスト風(ほめ言葉)

ですね。なかなかクール!

そして、塚本氏が推進している

「飛ぶコンピュータ」

の研究も、塚本氏同様、実にユニークです。


同研究には、
ラジコンヘリで知られるメーカー、

「ヒロボー」

も協力しているそうです。


残念ながら、塚本教授の研究室等の
Webサイトでは、当研究の詳細や進捗状況に
ついての情報は少なめです。

しかし、ソフトバンクビジネス+ITでは、
詳しい記事が掲載されていますので
興味のある方はそちらをぜひご覧ください。
文末URL参照)


同記事によれば、現在開発中のものは、

“オリジナルの小型コンピュータに自立飛行用のシステムが
 搭載され、地上のマークを探し出してのホバーリングが可能。
 2メートル司法のスペースがあれば空中に浮遊することができる”

とのこと。

イメージとしては、

“飛ぶコンピュータは、まさしくドラえもんの出す小道具のひとつだ。
 ストーリーの中で、のび太がスネ夫やジャイアンの行動を監視する
 ために飛ばしている「目玉にアンテナが付いているロボット」”

だそうです。

ただし、他人を監視するのではありません。

上空をホバリングしながら付いて来て、
自分自身のための

“第三の目”

になってくれるのが、
塚本氏の考える飛ぶコンピュータです。

具体的な用途ですが、
例えば災害に遭って、生き埋めになった時、
自分の分身である飛ぶコンピュータが、
救助隊にご主人さまの場所を的確に伝えることができます。
(飛ぶコンピュータも巻き添えになってなければ・・・ですが)


あるいは、客観的な立場で。
あれこれ助言してくれる便利なアドバイザー機能を活用。

例えば、朝の身支度時には・・・

「そのスーツなら、ネクタイは赤が似合いますね」
「鼻毛が見えてますよ。切りましょう!」

また、ジョギング中には・・・

「そろそろ止めたいと考えてますね。ダメです。」
「もう少しがんばれば、目標体重クリアですよ!」

などと叱咤激励してくれるでしょう。

ちょっと「うざい」と感じるかもしれませんが、
自分のためでもありますし、特に単身者の方は、
ズバリ直言してくれる配偶者・パートナーが
いませんから、ありがたい存在になるのではないでしょうか。

ヒマで退屈な時には、

「かくれんぼ」

など、遊びにも付き合ってくれます。


塚本氏は次のように語っています。

“(飛ぶコンピュータは)ピーターパンに出てくるフック船長
 の肩に乗っているオウムのような役割を果たすことになる
 でしょう。 ただ、ハードウェアとしての便利さをもたらす
 だけでなく、時には毒舌をはき、時には慰めたり、励ましたり。 
 なくてはならない、かけがえのないパートナーになると思いますね。”


私は、オウムよりむしろ、

ど根性ガエルの「ピョン吉」

を連想しましたけどね。
(わかる人がどのくらいいるかな・・・?)


私は、よりよい人生を生きるために、
私たちがマスターすべき‘最も重要なスキル’は、

「自分を客観視できる力

だと考えています。

これは、しばしば

「メタ認知力」や「幽体離脱力」

とも呼ばれますが、
現実にはなかなかできないものですよね。

ですから私は、

「飛ぶコンピュータ」

の実用化に大いに期待しているのです。


*参考記事

『関西流ベタベタIT商法の挑戦』
(合同会社関西商魂代表、中森勇人氏、
 ソフトバンクビジネス+IT)

夢を実現するナニワのエジソン(前編)
夢を実現するナニワのエジソン(後編)


*飛ぶコンピュータ PROJECT


*塚本昌彦氏関連サイト

Tsukamoto lab.
チームつかもと


*ヒロボーグループ Webサイト


*ISIS編集学校

*関連記事

『メタ認知力を磨け!』

投稿者 松尾 順 : 15:46 | コメント (0) | トラックバック

こわっか - Cowacca - 子供用吊り革

日経デザイン(July 2009)で、
ユニークな商品が紹介されていました。

電車のあの丸い吊り革ありますよね、
あれをモチーフに、子供が持ちやすい大きさ
にデザインしたのが

こわっか - Cowacca -

です。

吊り革一本単位で販売されています。


使い方ですが、吊り革のストラップの部分を
お母さんのバッグや、お父さんのベルトにつけます。

そうすると、小さい子にちょうどよい高さに
吊り革がくるので、楽につかめるというわけ。

これで、お父さん、お母さんの両手が
ふさがっていても大丈夫!

買い物の帰りなど、荷物が増えると
小さい子と手をつないでいるのが大変ですよね。

また、電車、バスなどで座れない時、
小さい子はしっかりつかまれるところがなく、
急ブレーキなどで転ばないか心配です。

でも、「こわっか」があれば、
子どもが喜んでつかまっていてくれそう。

子どもって、高すぎて届かないのに、
電車とかの吊り革につかまりたがって、
手を伸ばしますからね・・・

コワッカをデザインしたのは、
子どもと一緒の暮らしを考えるプロジェクト、

「コド・モノ・コト」

に参加している、小野里奈氏です。

まだ流通ルートが確立していないようで、
簡単に手に入れることはできないようですが、
入手が簡単になって、知ってる人が増えたら、
ヒット商品になりそうですよね。

*コワッカ(商品スペック、写真)

*小野里奈氏 Webサイト
http://www.rinao.jp/index.html

*コド・モノ・コト Webサイト
http://www.codomonocoto.jp/

出典:日経デザイン(July 2009)

投稿者 松尾 順 : 07:06 | コメント (0) | トラックバック

人が動かない4つの理由

以前、某飲み会でお会いしたことのある

漆 紫穂子氏(品川女子学院校長)

が手がけられた「学校改革」の話をきちんと聴きたい
と思い、昨日(2009/07/02)行われた夕学五十講での
講演に参加しました。


本記事では、漆氏のお話の中から、

「人が動かない4つの理由」

と、「動かない人たち」を漆氏がどうやって
動かしてきたかについてご紹介したいと思います。


私立中高一貫校、「品川女子学院」創業者のひ孫であり、
前校長の娘である漆氏は、大学卒業後、都内の別の学校
の教員になっていました。

しかし、品川女子学院が危機的状況にあることを聴いた
漆氏は、1989年、28歳の時に同学院に入り、
たった1人からの改革に着手します。


当時の品川女子学院は、
中等部への入学応募者数がわずか28人。

1学年の生徒数が5人という時期もあり、
まさに廃校寸前でした。

しかし、学校改革に成功した今、
生徒数は1246人(平成20年現在)となり、
中等部への入学応募者数は約1800人と、
20年前の60倍へと増加しています。


さて、同学院に入ったばかりのころ、
漆氏が同僚などに現状を聞くと、
皆、異口同音に

「もう手遅れだよ・・・」

といったそうです。

ただし、誰もが

「同学院のどこが良くないか」

を指摘することはできたのです。


問題点がわかっていながらも、

「あきらめモード」

に入っていたんですね。

このため、改革の必要性をいくら訴えても、
なかなか動いてくれなかったと、漆氏は
当時を回想していました。


さて、孤軍奮闘する毎日の中で、
漆氏は

「人が動かない理由」

には以下の4種類があることに気づきます。

1 知らない(現状を実感として把握していない)

 内部にいると、厳しい現状でさえ日常になって
 しまい、危機感を失っていた。

2 責任を取りたくない

 賛意を表明してしまうと、失敗したときに
 自分の立場が悪くなるから。
 現場での協力はするが、賛成はしないという
 人もいた。

3 めんどくさい

 現状を変えるのが面倒なので、
 あれやこれやと、うまくいかない理由を
 挙げてやらないで済まそうとした。

4 あなたが嫌い

 改革着手当時は20代とまだ若く経験も浅い漆氏、
 校長の娘という立場を盾に、偉そうなことを
 言っていると感じる人がいた。


漆氏は、それぞれの理由について、
次のような工夫で乗り越えていったそうです。

1 知らない(現状を実感として把握していない)

 外部から見たらどんなに厳しい状況なのか実感して
 もらうため、外の人に会いに行く時、同僚たちにも
 同行してもらった。

2 責任を取りたくない

 学内の様々な改革プロジェクトチームにおいて、
 漆氏が「私が責任を取るから!」と、いわば皆の
 「風除け」になることを明言した。

3 めんどくさい

 できない理由を挙げる人は、漆氏とは「違う絵」を
 見ていた。漆氏は、改革がうまくいった時に、
 生徒が喜んでいる「ゴール」のイメージを描いて
 いたのに対し、動かない人たちは、そのプロセスで
 遭遇するであろう、さまざまなトラブルや障害を
 イメージしていた。

 つまり、人によって、ゴールorプロセス、あるいは
 成果orリスクのどちらか一方しか見ていないことが
 あるということ。

 そこで、漆氏は相手の見ている絵がどんなものかを
 聴き、一方、漆氏は、自分見ている絵がどんなものか
 を相手に伝えた。こうして、お互いの見ている絵を
 交換することで、改革に対する理解と行動を促した。

4 あなたが嫌い
 
 わずか5分でもいい、改革に関わる簡単な仕事を
 頼み込んでやってもらう。そうすると視点が変わり、
 主体者意識が出てくる。
 こっち側に一度でも連れてくれば、漆氏は嫌いな
 対立者ではなく、同じ改革に取り組む仲間になる。


こうして、漆氏は、周囲を巻き込みながら、
できることから改革を進めていったのだそうです。


それにしても、

「協力はするが賛成はしない」

って、何なんですかねぇ・・・

そこまでして責任から逃げたがるというのは
なんとも情けないですよね。

ただ、結局のところ、

「生徒たちが喜ぶ姿を見たい

というゴールイメージが先生たちを動かす、
最も大きな原動力になったようです。

教師をやる動機や充足感、すなわち漆氏の言う

「心にスイッチが入る瞬間」

は、生徒たちの笑顔にあるからなのだそうです。


*慶応丸の内シティキャンパス 夕学五十講
 「改革のストーリー~心にスイッチが入る瞬間~」
 (漆 紫穂子、品川女子学院校長)

慶應MCC「夕学五十講」楽屋blog : 自分の言葉で語る強さ  漆紫穂子さん


(その他関連リンク)

品川女子学院・漆紫穂子校長の
やる気を高め、人を育てるマル秘メソッド
(日経ビジネスオンライン)

品川女子学院 校長日記

品川女子学院

投稿者 松尾 順 : 12:03 | コメント (1) | トラックバック

クルマが売れない理由

私たちが商品を購入するとき、
そのほとんどは「買い替え」ですよね。

食べればなくなってしまう食料品はさておき、
その他の商品(自動車、家電、日用品、衣料品など)は、
たまに「買い増し」もあるものの、自宅などの限られた
スペースに収容しなければならないといった制約があるので、
多くの場合、古いものと「買い替え」ることになります。


したがって、人がモノを買い換える・買い換えないの
理由については、以下の2つの要因で考えることが有効でしょう。

1 内的要因

 その商品を買いたいと思う、
 消費者の内側から湧き上がってくる購入欲求のことです。

2 外的要因

 その商品の買い替えにふさわしいタイミングや予算等、
 消費者の欲求の外側にある外的状況のことです。


そして、言うまでもなく、
消費者が購買に踏み切る決断をしやすいのは、
上記2つの要因が共に揃った時ですね。


どちらか一方だけの要因だけだと、
なかなか購買に踏み切ることができません。

例えばもし、あなたの内的要因は揃っている、
すなわち

「ある商品をとても買いたい」

と思っていたとしても、外的要因が揃っていない時、
例えば、予算が足りない、現在の商品がまだ新しいと
いった状況の場合、なかなか買い替えできませんよね。

逆に、外的要因は揃っている、
すなわち、買い替えの予算も十分あり、
手持ちの商品はいいかげん古くて使いずらい状況に
なっていたとしても、そもそも欲しいモノがなければ、

「まだいいや、もうちょっと我慢しよう」

と待ちに入ってしまいがちです。


イトーヨーカードーが今年前半に何度か実施した

「衣料品等の現金下取りセール」

は「内的要因」たる「購買意欲」を刺激したのではなく
(購買意欲はそもそもある程度あった)、

「タンスが一杯だから・・・」

といった「外的要因」における障壁を除去することに
成功したからでしょう。


さて、嗜好品的な要素が強く、
かつ高額の耐久消費財である、

「自動車」

の場合はとりわけ、
内的要因、外的要因の両方を
考慮する必要性が高いと思われます。

なぜなら、欲しいと思える好きな車がなければ、
購買意欲はなかなか高まりませんし、
同時に、車検時期や保有年数といった外的要因も
購買に大きな影響を与えるからです。


上記のことを実感させる最新の調査結果があります。

これは、インターネット自動車販売仲介サービス会社、
「オートックワン」と日刊自動車新聞社が、2009年
5月1-11日の間に、オートックワンのメール会員、
およびWebサイト訪問者4016人から回収した、

「エコカー減税」

についてのアンケート調査です。

まず、

「エコカー減税制度を使って
 環境に配慮したクルマを購入しますか?」

という設問に対しては、

「購入する・買い換える」

と回答した人は約1割(9.9%)にとどまっています。

そして、

「購入しない・買い替えない」が約6割(59.3%)
「迷っている」が約3割(30.8%)

です。

「購入予算」という外的要因における制約を
軽減する効果のある「エコカー減税」ですが、
どうやら、クルマ購入を後押しする力はあまり
強くなさそうだということがわかりますね。


次に「購入しない・買い替えしない」と回答した
6割の人にその理由を聞いた結果ですが、

「車検期間の途中だから」が26.0%
「欲しい車が決まらない」が22.5%、

で回答の約半数を占めています。
(残りは「減税、助成が不十分だから」7.9%、
「制度の内容が分からないから」3.1%、「その他」40.5%)

「迷っている」理由も上記と同様で、

「欲しい車が決まらないない」34.2%
「車検期間の途中だから」29.0%

の2つで半数以上になっています。


近年、日本のクルマにはエッジの立った
個性的なものが減り、同じようなコンセプト・デザイン、
平均的で面白みのないものが増えたと言われています。

近年、クルマが売れなくなった理由には、
車検時期などの外的要因だけでなく、
そもそも買いたいと思わせるだけの、つまり内的要因を
高めてくれる、魅力的なクルマが少ないことが大きいのかも
しれません。

*エコカー減税についてのアンケート出典
 「宣伝会議」2009.7.1 MARKETING DATA

投稿者 松尾 順 : 16:28 | コメント (0) | トラックバック

ジャイケル・マクソン ~ スプーナリズム

マイケル・ジャクソン急死。
驚きましたね。享年50歳・・・!

彼の早すぎる死は、
42歳で逝ったエルビス・プレスリーを
思い出してしまいました。

天才は夭折するものでしょうか。


思えば、マイケルジャクソンの最盛期が、
私の青春時代と同時期であったことは幸運でした。

彼の声を聴くと、懐かしさ一杯であると同時に、
今でも新鮮に感じる素晴らしい曲の数々に
改めて感動できますからね。


ところで、私は、

「マイケル・ジャクソン」

と聞くと必ず、

「ジャイケル・マクソン」

という言葉というか、
テレビ番組タイトルを連想してしまいます。


このような2つの単語・音節の頭を
入れ替えてしまうのを

「スプーナリズム」(頭音転換、頭音交替、語音転換

と呼びますね。

スプーナリズムはそもそも、
外国人の名前に慣れないお年寄りが
無意識に言い違えてしまったり、
また私たちも聞き慣れない言葉だと
思わず間違えてしまうことが始まりでしょう。

そこから、「ギャグ」の手段としても
たまに使われるようになってますが。

昔、志村けんも、
スプーナリズムをよく使っていましたね。


スプーナリズムについてのサイトを見ると、
いろんなものが例示されていますが、
私が面白いと思ったものをいくつか
ピックアップしてみます。

・アールメドレス
・ホイヤルロスト
・ヘンタルメルス
・なむろあみえ
・ボルコム・マルドリッジ賞
・へびこつらう
・うみのなめり
 (台風接近時に実況中継中のアナウンサーが言ったそうな)
・ナンボジアカンミン
 (これもテレビのアナウンサーのうっかり言い間違い)

*参考サイト
 『スプーナリズム:スプーナーさんに乾杯』

しかし、なんといってもスプーナリズムを取り入れた
ギャグの永遠の名作は、スネークマンショーの

「ジャンキー大山」

でしょう。下ネタですけど・・・


冒頭のみご紹介しておきます。

レディース アンド ジェントルマン!
こなさん、みんばんは。
ゆうこそ、よらっしゃいました。

あー、実はわたしは、もうれつに 
かんたまが きゆいのです。

なぜかと言うと、
なんきんに いったのです。

(以下略)


投稿者 松尾 順 : 08:58 | コメント (0) | トラックバック