著作権侵害にご注意!
あなたは、メルマガやブログに書いた自分の文章を
盗作されたことありますか?
「盗作されたことがあるよ」という方が、
けっこう多いんじゃないでしょうか?
デジタルなネット系文章だと、
コピペで簡単に真似されやすいですからね。
盗作された経験は、私にも何度かあるのですが、
そのたびに思うことがあります。
「これは、盗作と知りつつやった確信犯なのか、
それとも、著作権の知識・常識を知らない、あるいは
軽く考えていたための意図的でない行為なのか?」
どちらにせよ、盗作、すなわち
「著作権侵害」
であるという事実は揺るがないのですが。
さて、つい最近も、
メルマガ&ブログで私の書いた記事が
著作権侵害を受けました。
最終的には、盗作した側の責任者から、
真摯な謝罪をもらいましたので一件落着はしています。
ただ、私自身も含め、文章を書き、
ネットなど通じて公表する機会が多い方のために、
自分自身がうかつに著作権侵害を起こさないためのポイント
を一度整理しておいたほうがいいと思いました。
というわけで、直近に起きた私の盗作被害を
具体事例として示しながら説明してみたいと思います。
まず、私のオリジナル記事の冒頭と、
盗作記事の冒頭を並べてみますね。
------------------------------------
[オリジナル記事]
タイトル:裁判員になる方へ・・・目撃証言の信頼性
従来、刑事裁判は、
裁判官3人だけで評議し評決していました。
しかし、裁判員制度の実施後は、
裁判官3人に加えて、国民から選ばれた裁判員6人
の合計9人で、評議・評決をすることになります。
裁判員候補者としては、
社会人のほとんどの人が対象となりますね。
もし裁判員候補者に選ばれたら、
所定の理由がない限り辞退することはできません。
ですから、いつかは自分も裁判員になる日が来るかも
しれないという、心の準備はしておいたほうがいいでしょう。
------------------------------------
[盗作記事]
タイトル:裁判員制度の留意点
従来の刑事裁判では、裁判官3人で評決しましたが、
新制度では、国民から選ばれた裁判員6人が加わり、
計9人で評決することになります。
社会人のほとんどが対象となる裁判員制度ですが、
所定の理由がない限り、辞退することが出来ません。
いつかは、自分が選ばれる日が来るかもしれない、
という心の準備が必要でしょう。
------------------------------------
盗作記事の場合、全体の文章が短く、
また表現・言い回しが変えてありますが、
私の記事の「引用」ではなく、
あたかも自分の文章であるかのように書いた、
「剽窃(ひょうせつ)」
であること、要するに、「盗用」したことが、
著作権の専門家でなくとも一目瞭然ですよね。
(そもそも、出典の明示もなしでした)
さて、当初、盗作記事を掲載した側の責任者の
謝罪の文章は次のようなものです。
(重要箇所のみ抜粋)
------------------------------------
5月XX日に書かれた記事が松尾様の記事
「裁判員になる方へ・・・目撃証言の信頼性」を
もとにして書かれているにもかかわらず、出典の明記が
なされず、オリジナル記事であるように書かれていました。
(中略)
今後は出典の明記を義務づけ、再発しないよう周知徹底
してゆく所存ですので、今回に限り、どうかお許し
くださりますと幸いでございます。
-------------------------------------
この文章を読むと、盗作記事は、
「出典の明記」
が行われていなかったことのみが問題という、
間違った事実認識を責任者が持っていたことが
わかります。
このため、出典の明示がなかったことについての
謝罪に止まっていますね。
しかしこの記事の場合、
出典が明記されているかどうかに関わらず、
「著作権侵害」
に該当するのです。
なぜかという理由については、
「引用」の目的と許容範囲
をご説明すればおわかりになるでしょう。
そもそも「引用」とは、
自分の考えを展開したり、
説明・証明するために他人の文章や事例を引くこと
です。
しかし、当該盗作記事の場合、
私の記事をそっくりなぞり、表現を変えただけの
内容でした。つまり、
書き手の持論・自説
が全く含まれていなかったのです。
したがって、「引用」には該当せず、
「剽窃」=「盗用」になってしまうというわけです。
もし仮に出典が明示されていたとしても、
変な話ですが、
盗作先の明示
に過ぎなかったことになりますね。
ですから、引用については、
以下の原則を常に意識しておく必要があります。
それは、
「主従関係の原則」
です。
自説を展開した部分と、引用箇所を比べた時に、
自分の文章が「主」であり、引用が「従」とみなせる
場合にのみ正当な引用として認められるという原則です。
当該盗作記事の場合、
自説ゼロですから、引用100%ですね。
「アウト」。
「主従の関係」の見極めは、
基本的には自説と引用の文章量の比較に、
双方の内容の質を加えて判断されますが、
明快な線引きは難しいのが現実ではあります。
実は私も、うかつにも引用箇所が主と感じられるような
記事を書いてしまい、読者の方から叱られた経験があります・・・
さて、もうひとつ、著作権侵害を避けるために
知っておくべきポイントがあります。
それは、
著作権は「表現」を保護することが目的である
いう点です。
特許は、発明=アイディアを保護することが
目的ですが、著作権はオリジナルの書き手の
「表現」
を守ることが目的。
ですから、盗作記事の場合も、
裁判員制度における留意点を「自分の言葉」で
表現してあれば、問題はありませんでした。
(後はもちろん、適切な引用と出典の明示)
ちょこっと言い回しを変えただけではダメです。
他人の文章を元にしており、
かつその文章と明らかな類似性があり、
「実質的に同一」
と判断されるようであれば著作権を
侵害したことになるからです。
まとめます。
著作権侵害にならない文章を書くために、
最低限おさえておきたいポイントは以下の3つです。
・自説を自分の言葉で表現する。
・自説と引用のバランスに注意し、
引用が主にならないようにする。
・出典を明記する。
掘り下げれば、上記以外にも様々な留意点がありますが、
詳細は参考文献等をご参照ください。
私自身も、細心の注意を払って、
記事を書いていきたいと思います。
*参考文献
『引用する極意 引用される極意』
(林紘一郎、名和小太郎著、勁草書房)
『デジタルコンテンツの著作権Q&A 第2回』
‐自社のWebページをまねたとしか思えない他社のWebページを発見。
削除を要求できるか?
(広報会議、2009/07)
投稿者 松尾 順 : 2009年06月16日 09:58
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mindreading.jp/mt/mt-tb.cgi/1081
コメント
この記事いいですね~。
もっとも、本質から理解しようとする姿勢に欠けていれば
・自説を自分の言葉で表現する。
・自説と引用のバランスに注意し、
引用が主にならないようにする。
・出典を明記する。
の3点も、自分の主観だけで考えてしまい、一字変えただけでも「自分の言葉」、長さという尺度だけで考え「引用がちゃんと従になっている」と主張する困ったちゃんもいますけど。
教育業界、とくに塾業界では、著作権侵害が甚だしいです。
うちやベネッセさんは著作権担当部署を設置の上、必ず申請~というフローが出来ているのですが、
・侵害していることをそもそも知らない「無知」な塾(しかもそれが上場企業だったり)
・侵害していることを知っていてやっている塾(これも上場企業だったり)
が、残念ながら「ほとんど」です。
もともと人件費が安く、利益率も薄い業界なので、著作権への対価を支払うと顧客単価を上げるしかなく、お客さんも納得しない上、「そんなものにお金払わなくていいじゃん」的な間違った考えがお客側にはびこりやすくもあります。
こういう問題を見ると、結局は、「正直者がバカを見ない世の中に!」と真剣に想い、勉強し、行動する人が溢れる社会にならないといけないな、と、強く感じます。
投稿者 Z会 寺西 : 2009年06月16日 11:57
寺西さん、コメントありがとう!
確信犯ばかりはどうしようもないですね。
無知もどうしようもない&情けない。
まあ、寺西さんも先日の記事で書いていたように、
「不幸な人」「不幸な会社」だと思いますよ。
それにしても著作権侵害罪は、10年以下の懲役、
もしくは1,000万円以下の罰金と、意外に重い罪
であることを知らないのでしょうか。
投稿者 松尾順 : 2009年06月16日 13:29
よりによって、tumblrに載せてしまいました。m(_ _)m
http://kacho007.tumblr.com/
投稿者 課長007 : 2009年06月17日 14:42
コメントしてください
