ブランド本100選(No.1):エコブランディング

今日ご紹介するのは以下の本。

『エコブランディング』(中野博著、東洋経済新報社)

2010年7月1日発行の新刊です。


端的に言えば、

「エコブランド」

とはビジネスを通じて、
様々な地球環境問題の解決に取り組むことで、
人々の信頼を築き上げているブランドです。


いわゆる「エコビジネス」に対する日本の意識は、
欧米に比較するとまだまだ低いようですが、
エコビジネスを牽引する

「環境・エネルギー革命」

は、「IT革命」を凌ぐインパクトを持っています。


なぜなら、IT革命の恩恵を直接受ける人は、
先進国・新興国の一部にまだまだ限定されています。

しかし、地球環境問題は、
世界のあらゆる人々に関わりのある事項です。


ですから、著者の中野氏は、

“エコビジネスとは、この地球上に住む全員が
 お客様であるということです”

と述べています。

それだけ、ビジネスとしても
魅力的であるということですね。

ただし、単なる「金儲けの機会」と
考えるべきではありません。

「環境マーケティング」

という言葉があります。これは、

エコビジネスにおけるマーケティング

のことです。


環境マーケティングの基本視点は、

「生活者の満足やニーズを満たしつつ、
 企業のビジネスを成立させ、なおかつ
 環境保全をも実現する」

という高度なものであり、

「買い手よし、売り手よし、社会よし」

という近江商人の「三方よし」の精神とも
言えると中野氏は指摘しています。


環境マーケティングは、
これからの企業が顧客に受け入れられ、
社会の一員として存続していくために、
不可欠な取り組みなのです。


そして、エコブランディングとは、

「エコ」(=地球環境問題の解決)

を軸とする経営戦略を練り、

持続的なブランド力
築き上げることです。


本書では、エコブランディングを
創業当初から実践しているアウトドア用品
&アパレルメーカーの

「パタゴニア」

をはじめとする、様々な企業・製品の成功事例
の紹介と共に、エコブランド作りの現状分析、
およびブランド作りの実践方法が具体的に解説
されています。


「エコ」をメインテーマとするブランド本と
しては実質初めての本です。一読の価値があります。

投稿者 松尾 順 : 2010年07月26日 12:25

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