敬う心

米国の高級車カテゴリーでは、BMW、メルセデスベンツより売れているトヨタ「レクサス」。

日本市場には今年の9月に、満を持して登場しました。約1ヶ月を経過した現時点での実績は、販売店への来場者数20万組、受注台数4600台と上々の滑り出しです。

レクサスの売りは、高級車にふさわしい重厚なしつらえの販売店と、高い接客力を持つ店員による丁寧なおもてなし。ターゲットが高所得者層ですから、そうした新たな販売スタイルが必要になったわけです。

販売店の幹部によると、「レクサスのもてなしの基本は『相手を敬う心』」です。高所得者層、つまりお金持ちは、敬われること、ひらたく言えば、持ち上げられることが大好きですので、さすがトヨタさんはそこのあたりをよくわかってますね。

もちろん、敬われるということは、誰にとっても心地よいものですが、これ以外にも、顧客との良好な関係づくりのためのポイントがあります。「統合型マーケティング戦略」という良書に、意味のある対話の条件として5つが挙げられています。

同書の中では、5つのポイントは企業側の視点で書かれていますが、このブログでは消費者(顧客)側の視点でご紹介します。

1.頼りたい 

これは取引において最も重要ですね。店員、セールスマンであれば、専門知識の豊富さ、人間性といったものが鍵です。

2.認められたい 

端的には自分の名前を覚えて欲しい、呼んで欲しいということが出発点。一人の人間として「認められたいという存在欲求を満たして欲しいのです。

3.すばやく対応して欲しい

 現代の人々にとって、最も大切な資源は「時間」です。自分の時間を無駄に費やされてしまうことほどいやなことはありません。だから、すばやい返事、すばやい処理ができる人、会社とつきあいたいですよね。

4.敬われたい

 レクサス販売店のおもてなしの基本ですね。極端な言い方をすれば、たとえ、おべっか、ごますりとわかっていても、お世辞を言われたり、丁寧に扱われることは人を心地よくさせます。その心地よさには抗えません。

5.補強して欲しい

 ちょっと表現がわかりにくいですが、おたくと取引している、あるいはこの製品を買ったのは正しい判断だったよね、という気持ちを強化して欲しいということです。人は、何かを購入した後、ほんとにこれでよかったかな、という不安にかられがちです。そこで、「確かにあなたの判断は正しかったのですよ」というメッセージや行動を示して欲しいのです。クルマで言えば、納車したらしばらくして、「調子はどうですか」とか連絡して欲しい。売ってしまえばもう終わりとばかり、なしのつぶてではがっかりです。

ところで、レクサス販売店の課題は、従来とは異なる販売スタイルのため、まだ店員が慣れておらず、マニュアルくさい、慇懃無礼な接客になりがち点だそうです。

「丁寧」という仮面をかぶってしまうスタッフが出てきているんですね。

投稿者 松尾 順 : 2005年10月12日 09:43

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