ほほえみの効用

私は若い頃から表情に乏しく、

「能面」や、「仏頂面」、「ポーカーフェイス」

などと言われてきたんですよね・・・

別にいつも不機嫌だったわけでもなく、
気取っていたわけでもないんです。

ただ、生来のはにかみ屋で、人前では緊張しがち。
顔がこわばってしまっていただけなんですけど。

おかげで、

「ぱっと見、近寄りづらい」

とか、

「高飛車な奴」

などとマイナスに評価されてしまうことが
多かったです。


まあ、相応に年を取った最近では、
以前ほどは人前で緊張もしなくなりました。

また3年前から続けているゴスペルのおかげで、
アマチュアながら人前で歌う機会が多く、
自然にほほえむことが少しはできるようになって
きたと思います。


さて、よく考えてみると、

「微笑み」

は、人間だけが持っている表情ですね。

「そんなことないよ、
 うちの愛犬は私に微笑んでくれるよ!」

と反論する方もいるでしょうか。


でも、口角を上げて、
はっきりとした微笑みの表情を作れるか
という点で言えば、人間だけができる表情です。


では、微笑みはどんな効用を持っているのでしょう?

先日放送されたサイエンスゼロ(NHK)でも、
このテーマが取り上げられていましたが、
微笑みの起源は、チンパンジーなどの霊長類に見られる

「グリメイス」=劣位の表情

だと考えられているそうです。


「グリメイス」とは、
口を開けて歯を見せる表情です。

これは、ボスザルのような上位のサルに対して、
あなたに逆らう気はありません、服従しますと
いう意思表示です。

つまり、グリメイスによって、
サルは、相手よりも自分がへりくだっていること
を相手のサルに伝えるのです。


そして、人間の場合、
グリメイスが「ほほえみ」に進化しました。

人間における「ほほえみ」もまた、
自分をあえて下位の立場に置くことで、
敵意のないことを示し、相手の警戒感を
解くことのできる

「ボディランゲージ」

言い換えると、

「言葉以外で伝えるメッセージ(メタメッセージ)」

の役割を果たしているんです。


しかも、人は相手の表情を無意識に
真似てしまう性質を持っています。

ですから、こちらがほほえみかけると、
相手も思わずほほえんでしまう。
(逆にこちらが硬い表情をしていると、
 相手の表情も硬くなってしまうのです)


こちらがほほえむと相手もほほえみ返す。
ほほえむことは気分的に心地よいものです。

ほほえみあうことで、
いい雰囲気が漂い、お互いに対する親近感
がぐっと増すとというわけ。


営業マンや接客サービス従事者の場合、
自然なほほえみの表情がとても重視されますよね。

それは、「ほほえみ」が相手と自分との壁を
一瞬にして消してくれる力を持っているから
なのです。


あ、そうそう。

人以外に唯一微笑むことのできる動物が
いるのを忘れていました。

鴨川シーワールドのアシカくん。
あれは、「ニタリ」という感じの微笑みですけどね。

投稿者 松尾 順 : 20:28 | コメント (2) | トラックバック

さすがの中華料理店

文京区・本郷の弊社事務所の向かって左隣のビル1階に、
1ヵ月ほど前オープンしたばかりの中華料理店が結構
流行ってます。

大衆的な雰囲気。
値段が手頃なわりになかなか本格的な味です。

開店早々から受けるのも当然という感じ。


この場所は、これまでフランス料理、
イタリア料理、スペイン料理店などが出店してきました。

でも、どれも最長で2年程度しかもたずに次々撤退。


どの店も、まあ値段も味も及第点だったとは思います。

問題は「サービス」でした。

店員さんの応対がパッとせず、
リピートする気がしませんでした。


例えば、メニューに載ってた

「今日のオススメ」
(それが何かは店員に確認するスタイル)

を見て、

「今日のオススメは何ですか?」

と尋ねた時の店員さんの答えが、

「ちょっとお待ちください、厨房に聞いてきます」

じゃがっかりです。
(事前に確認しとけ!)


今度の中華料理屋は、
店員さんはみな中国(おそらく台湾系)の方々。


日本語もたどたどしいし、多少応対がそっけなくても、
まあ仕方がないかと許せてしまいます。

ちょっと気取った欧米系料理店の場合、
味や価格設定に加えて、
サービスクオリティもそこそこ上げとかないと、
やっぱダメですよね!

投稿者 松尾 順 : 02:00 | コメント (2) | トラックバック

南部鉄器のカラー展開

南部鉄器というと、
黒塗りの鉄びんや急須を連想しますね。

事務所にも、南部鉄器かどうか、
定かではありませんが、
黒塗りの鉄の急須があります。

たしか、鉄器で入れると、
鉄分も取れるんでしたっけね。

手に持ったときのずっしりとした重みや、
渋い黒がなんとも言えず味があります。


さて、岩手県盛岡市の南部鉄器メーカー、

「岩鋳」

では、昭和40年代から欧州へ鉄器の輸出を開始し、
現在、毎年2億円の売上げを持しているそうです。
(日経デザイン、June 2009)

ただ、販売開始当初は全く売れませんでした。
輸出していたのは従来の黒塗りの急須。

売上げが伸びるきっかけとなったのは、
フランス・パリの取扱店に依頼され、

「フレンチブルー」

に塗装した急須の輸出を始めてから。


岩鋳さんとしては、
塗料の開発に2年をかけたものの、
まさか、フレンチブルーの急須が売れるとは、
とても思えなかったようです。

ところが、予想に反して売れ、
他の色のオーダーも寄せられるようになりました。

現在は、さまざまな色の急須を展開していますが、
面白いのはお国柄によって好まれる色が違うこと。

フランスは「フレンチブルー」ですが、
イタリアでは、フェラーリを連想させる「赤」、
ドイツでは、BMWの「ドルフィングレー」が人気。

米国では、ポップな色が好まれるとのこと。

南部鉄器といえば、「黒」というのが相場ですし、
黒以外は、ある意味異端の存在です。

日本人が見たら、

「こんな色の急須、売れるわけないよ」

という先入観がどうしても生まれますね。

しかし、南部鉄器をそもそも知らない外国人に
取っては、黒という先入観を持たない。

青や赤の鉄の急須があってもおかしくはありません。

実際、日経デザインの写真を見ると、
青、赤の急須は、実に色鮮やかで魅力的です。

日本の伝統的な食卓におくと、
浮いてしまいそうですけどね。

単に色を変えるだけ、
といっても一定上の品質に仕上げるには
相当の労力が必要ですが、
思い込みを捨ててカラー展開することで
外国で売れる日本の民芸品っていろいろ
あるんじゃないでしょうか?

投稿者 松尾 順 : 16:43 | コメント (2) | トラックバック

最後に出店するのはそば屋?

人通りが多い好立地のはずなのに、
どんな店も、すぐにつぶれてしまう飲食店跡地。

そんな場所に最後に出店するのは、
だいたい立ち食い系そば屋のチェーン店のようです。

都内だと「富士そば」。
他には、「小諸そば」あたりですかね・・・

これらのお店は、純粋な立ち食いではなく、
椅子がある店舗がほとんどですが。


ちなみに、富士そばの社長は作詞家で、
店内には、歌詞を提供した演歌歌手のポスターが
貼ってありますね。

BGMはもちろん演歌。(例外もあるかな)


他の飲食店業態には厳しい立地でも、
立ち食い系そば屋は、
平均以上の味とサービスが維持できれば
めったにつぶれることはないようと思われます。

やはり、そば・うどんは、
毎日食べても飽きない、国民食と言える
存在だからでしょうか。

はやりすたりが意外に多いラーメン屋とは
対照的です。

投稿者 松尾 順 : 18:16 | コメント (3) | トラックバック

ブルーオーシャン戦略の要諦

このところ注目を集めている新しい経営戦略、

「ブルーオーシャン戦略」

はどんなものか、ご存知ですか?


関連書籍を読んでみたけど、
けっこう難しくて、あまり理解できた気がしない
という人もいらっしゃるでしょう。


そこで、ブルーオーシャン戦略(以下「BO戦略」とします)
についての理解を深める上で役に立ちそうなポイントを
私なりにまとめて、ご紹介したいと思います。

なお、参考にしたのは、末尾に示した参考図書2冊と、
池上重輔氏(早稲田大学大学院商学研究科 准教授)
の夕学五十講での講演内容です。

---------------------------------

(1)BO戦略は、「戦略理論」である。

BO戦略は、30を超える業界で過去20年の間で見られた
150以上の戦略の打ち手を調査・研究した中から抽出された

「新たな市場創造ための基本的な成功パターン」

です。すなわち、「抽象化された理論」であり、
決して「必勝」を約束するものではありません。

しかし、この成功パターンを自分の業界・業種に適用し、
再現する確率を高めることを可能にする各種ツールが
用意されています。

---------------------------------

(2)BO戦略は、「市場創造戦略」である。

私たちがこれまでなじんできた戦略は、
マイケル・ポーターが確立した「競争戦略」です。

競争戦略は、既存の市場の中で、
他社と同じ競争の軸で戦うための理論ですね。

競争戦略の枠組みでは、
企業は血みどろの戦いを続けるため、
ブルーオーシャンと対比して、

「レッドオーシャン」

呼んでいます。

一方、BO戦略では、新たに市場の線を引き直し、
競争のない市場を創造することを狙います。

競争戦略の理論は既に確立されていますし、
ツールは既に豊富に存在していますよね。

しかし、市場創造のための戦略理論やツールは
ほとんど存在していませんでした。

しかし、BO戦略は、経営史上初めて、
市場創造のための明快な理論とツール群を
提供しているといえるものです。

---------------------------------

(3)BO戦略では、価値向上とコストダウンの両立を実現する

BO戦略では、競合他社が提供していない、
独自の価値を生み出そうとします。つまり、
新たな付加価値創造を狙うのです。

これは、競争戦略の枠組みで言う「差別化戦略」と同じです。

しかし、差別化戦略では、価値を高めることによって、
必然的にコストが上昇するため、販売価格が上昇することを
前提としています。

したがって、「高くてもいいものを買う」と考える限定された
顧客が対象となります。場合によっては、「ニッチ戦略」と
呼ばれることもあるでしょう。

ところが、BO戦略では、付加価値を生み出すと同時に、
なくてもいい価値、よけいな価値を除去したり、
減らしたりする取り組みを行うのです。

こうすることによって、顧客に取っての価値を上げつつ、
トータルでのコストダウンを実現していく。

BO戦略で、これを「バリューイノベーション」と呼んでいます。

バリューイノベーションは、
基本的に、競争戦略ではありえない考え方です。

---------------------------------

(4)BO戦略は、マス(広大な需要)を狙う

BO戦略では、新たな付加価値を生み出すことによって、
それまで逃していた新しい顧客を獲得しようとします。

つまり、市場の線を引き直すというのは、
これまでターゲットとしていなかった層(ノンカスタマー)
を狙うということなんですね。

ただ、前述したように、
並行してコストダウンを図ることで、
新規顧客の多くが魅力的と感じる価格を設定します。

留意して欲しいのは、
最安値を提示するわけではない点です。

他社にはない新しい価値を示しつつ、
最大限に利益を確保できる適切な価格設定を行う。

これにより、売上げ拡大と同時に、
利益率向上も実現できるというわけです。

---------------------------------

(5)BO戦略は、「共通点」(コモナリティ)に着目する

BO戦略では、マスを狙うため、

「セグメンテーション」(市場分割)

という考え方をしません。

新規顧客の多くが共通して抱える問題やニーズを
敏感に嗅ぎ取って、それらを解決・充足できるものを
新たな付加価値として提示するのがBO戦略です。

---------------------------------

(6)BO戦略は、「オルタナティブ」を考慮する

BO戦略においても、
もちろん競合の存在を意識します。

ただし、直接に競合する「代替品」(サブスティチュート)
ではなく、「オルタナティブ」(他の選択肢)を考慮します。

例えば、「レストラン」の代替品(直接競合)は
他の飲食店ということになります。

しかし、単に食欲を充たすのではなく、
「楽しい時間を過ごす」という目的であるなら、
映画館や演劇も競合しますね。

これらが「オルタナティブ」です。

オルタナティブは、形態も機能も違うけれど、
顧客の目的(=充足したいニーズ)は同じというものです。

オルタナティブを考慮することによって、
既存の市場の枠組みにとらわれない発想が可能になります。

--------------------------------

BO戦略のポイントは他にもいろいろとありますが、
だいたい以上のことで基本はおさえられるのではないか
と思います。


さて、結果的に、つまり後付け的に分析してですが、
ブルーオーシャン戦略で成功した事例として、
最もわかりやすいのは、任天堂のゲーム機「Wii」でしょう。

「Wii」は、従来のゲーム機がマニア層をターゲットとして
どんどん高品質化、高機能化、高価格化をしていったのに対し、
ゲームをしなくなった社会人、ファミリー層、またそもそも
ゲームをしないシニア層にも受け入れられる、わかりやすさ、
簡単さ、楽しさを提供する一方、スペック的にはあえて
低品質化することによって手頃な値段を実現しましたよね。


また、ビジネスホテルの「スーパーホテル」も
まさにブルーオーシャン戦略の成功例と言えるでしょう。

広々としたベッドと6種類から選べる枕で、
従来にない快適な寝心地や、無料セルフの朝食、
天然温泉といった付加価値をビジネスパーソンに
提供する一方、自動チェックインの仕組みを始め、
客室電話を廃止するなどによって大幅なコストダウン
を実現。1泊5千円弱の手頃な価格設定を可能にしています。


最後に、池上先生による、
BO戦略の簡潔な定義をご紹介しておきましょう。


「ブルーオーシャン戦略」は、“広大な需要”を
 主体的かつシスティマチックに創造する戦略理論

*参考図書

『ブルーオーシャン戦略 競争のない世界を創造する』
(W・チャン・キム、レネ・モボルニュ著、有賀裕子訳、
ランダムハウス講談社)

『日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く』
(安部義彦、池上重輔著、ファーストプレス)


*関連記事

・意外!Wiiの真のライバルは○○だった!
(All About よくわかるマーケティング)

・スーパーホテル 顧客満足の秘密 「選択と集中」編
(Kanamori Marketing Office)

投稿者 松尾 順 : 14:40 | コメント (4) | トラックバック

裁判員になる方へ・・・目撃証言の信頼性

まもなく(09年5月21日から)、

「裁判員制度」

がスタートしますね。

ひとことで言えば、
米国の「陪審員制度」のような仕組みです。
(もちろん同一ではありません)


最高裁判所のWebサイトでは、
「裁判員制度」について次のように説明されています。

--------------------------------

裁判員制度とは、国民の皆さんに裁判員として
刑事裁判に参加してもらい、被告人が有罪かどうか、
有罪の場合、どのような刑にするのかを裁判官と一緒に
決めてもらう制度です。

---------------------------------

従来、刑事裁判は、
裁判官3人だけで評議し評決していました。

しかし、裁判員制度の実施後は、
裁判官3人に加えて、国民から選ばれた裁判員6人
の合計9人で、評議・評決をすることになります。


裁判員候補者としては、
社会人のほとんどの人が対象となりますね。

もし裁判員候補者に選ばれたら、
所定の理由がない限り辞退することはできません。

ですから、いつかは自分も裁判員になる日が来るかも
しれないという、心の準備はしておいたほうがいいでしょう。


とはいえ、実際裁判員に選ばれて、裁判に参加する際、
結構つらそうなのは、裁判員制度の対象となる刑事裁判は、
殺人、強盗致死傷、傷害致死、危険運転致死などの凶悪犯罪
が中心となることです。

ですから、裁判によっては、
「死刑」を宣告するということもありえるわけです。

たとえ、「死刑」が、被告人が犯した罪に対する
当然の報いであったとしても、人の命を奪うという
決定を下すのは気が進まないことでしょう。


さて、裁判員となれば、事件にまつわる、
さまざまな証拠物件や証言の信頼性を
慎重に判断しなけれなりませんよね。


現場に残されていた物的証拠や指紋、
DNA鑑定など結果は、目に見える明白な事実ですから、
それほど判断に苦しむことはないと思います。
(DNA鑑定の結果が間違うこともありますから、
 100%信頼できると言えないにしても・・・)


しかし、目撃証言は、
目撃者の「記憶」に依存するため、
相当の注意が必要でしょう。

法廷に立った目撃者が、

「私は犯人の顔をはっきり見ました。あいつが犯人です。」

などと自信たっぷりに証言したとします。

おそらく私たちの多くは、
目撃者がそこまで確信を持って言うのなら
間違いないだろうと考えてしまいそうです。


しかし、人の記憶がいかに頼りにならないか、
また、過去の記憶というものは、無意識に
創作されてしまう場合もあることが、
心理学等の研究で検証されているのです。


実際、過去の裁判のうち、
目撃証言が決め手となって有罪判決が下されたものの、
後に真犯人が現れ、無罪となったケースが相当数あります。

つまり、目撃証言は明らかに間違っていたのです。

ということは、真犯人が現れなかったために、
そのまま無実の罪に問われたままの冤罪事件も
あると言えますよね・・・


最後に、心理学者によって行われた
シミュレーション実験を簡単に
ご紹介しておきます。

これは実際の事件に近い状況を
再現してみたものです。


実際の事件とは、
ある政党の本部が時限式火炎放射装置で
攻撃され、炎上したというものでした。

当事件では、残された装置の部品から、
その部品を販売した問屋が割り出されました。

そして、事件から3ヵ月後に
ある問屋が事情聴取を受けた時、
この店で事件が起きた1ヶ月前の某日に
同タイプの部品を購入した客が怪しい
という話をしたのです。

その日応対した店員は、
当日のことを徐々に思い出し、
ついに300人の写真帳から1人の人物を
選びだし、その人物が被疑者となりました。


さて、ミュレーション実験は、
事件発生から数ヶ月も経過した後の店員の記憶が
どの程度信頼できるかを検証するために行われました。

実験協力者(3人)は問屋に電話をかけ、
小売をしてもらえるかを確認した上で
店に出向きます。

そして、名刺を渡し、
品物を現金で購入するのです。

その際、
応対した店員の名前を聞いておきました。

実験協力者はスーツにネクタイのビジネスマン風。
ただし、存在を印象づけるためあえて、左手に
包帯を巻いてもらっていました。

こうして訪問した問屋は、
おもちゃ、スポーツ用品など様々な商品を
扱う125店でした。

さて、それから3ヵ月後、
実験を計画した心理学者らが各問屋を訪ね、
店員に実験の趣旨を説明した後、
3ヶ月前に来た客のことを思い出して
もらったのです。

回答を得られたのは86人の店員でした。

客の性別、年齢、髪型などの特徴について
の平均正答率は43%。

また、事前の電話の有無や販売の様子に
ついての正答率は35%。

3ヶ月前のことにしては
比較的覚えていると言える率ですかね。


しかし、写真帳を見せて、
当日来た客を選び出してもらうように
依頼したところ、86人中、29人は、
もはや顔を覚えていないとして
選ぶことができませんでした。

一方、残りの57人は何らかの写真を
選び出したのですが、なんと正しい写真を
選んだのはわずか8人。

残り49人は、まったく見たこともない人物を
選び出したのだそうです。


つまり、顔写真の正答率は、
回答者全体(86人)をベースに考えると約9%

なんらかの写真を選んだ人(57人)ベースでも、
14%に過ぎませんでした。


記憶は時間とともに急速に減衰しますから、
もっと短い間隔であれば正答率は高くなるでしょう。

しかし、時間が経てば経つほど、
人の記憶は不明瞭になり、間違った答えを出して
しまうことさえあることは忘れてはいけません。


*上記実験の出所:
『「温かい認知」の心理学』
(海保博之編、金子書房)


*裁判員制度(最高裁判所)
http://www.saibanin.courts.go.jp/

*裁判員制度の紹介
http://www.saibanin.courts.go.jp/introduction/index.html

投稿者 松尾 順 : 09:20 | コメント (0) | トラックバック

ちょっと気になった最近の喫煙行動の変化

最近、タバコを吸う人、
ほんと少なくなりましたよね・・・

10数人集まった飲み会で、
ふと気づくと、誰もタバコを手にしていない。

いたとしてもせいぜい1人。
なんだかとっても肩身が狭そうです。

まあ、周囲を気にせず、
泰然と吸ってる人もいますけどね。


ちょっと気になったので、

「平成20年JT全国喫煙者率調査」

の結果を見てみたら、平成20年(2008年)現在の

成人男性の平均喫煙率は39.5%、成人女性は同12.9%

ということでした。

成人男性の喫煙率のピークは、
昭和40年以降では83.7%(昭和41年、1966年)。

約40年前と比較すると、半減しているんですね。

それでも、現在でも喫煙率約40%ということは、
男性の2人に1人弱は吸っているわけです。

ちょっと実感と合わない感じ。

というのも、あまり吸わなさそうな若い人たち、
つまり20代男性の喫煙率は、むしろ全体平均より高く、
50%を超えているのですよ。

逆に印象より低いのは60代(30%強)、50代(50%弱)の男性。
健康を気にして止める人が増えているということですかね。


というわけで実感に合わないのは、
自宅などでは吸っているけど、それ以外では、
吸える場所がどんどんなくなってきたし、
周囲に遠慮して我慢している(あるいは隠している)人
が多いということでしょうか。


そういえば、

未成年の喫煙経験もやっぱり低下しているのだろうな・・・

と思って興味本位で調べてみましたが、
さすがに全国的な調査は見つかりませんでした。

ネットで検索してなんとか見つけた、
秋田市周辺の15の高校の生徒対象の調査をご紹介すると、
高校3年男子の喫煙経験率(1度でも吸ったことがある)は、

・1999年→50%
・2005年→21%

と半減以上。

*喫煙経験率は、タバコを吸ってみたことがあるという数字
であり、必ずしも喫煙を常用・継続しているわけではない点、
ご注意ください。

わずか10年前でも、
高校3年生ともなれば男子の2人に1人は
タバコを試したことがあったのに、最近は
5人に1人しか経験してないのですね。

女子の場合も、3年生の喫煙経験は、
約30%(1999年)から、10%強(2005年)とやはり半減。

おそらく、全国的にも同じような傾向でしょう。


未成年の喫煙経験が低下した理由ですが、
タバコの健康に対する悪影響についての心配以上に、
「大人の象徴」としてのタバコの価値・魅力が
低下したからでしょうね。

子どものころは、
ちょっと背伸びしたいという気持ちから、
大人の真似をしたくなるもの。

その一つとして、
こっそりタバコを吸ってみたくなったわけです。
(私もそうでした)

でも、もはや吸う大人をほとんど見かけないし、
あんまりカッコイイものでもなくなったので、
子供たちも真似をする気がしないんでしょうかね。

ところで、ご存知の方も多いと思いますが、
こうした全体的なタバコ喫煙率の低下傾向に反して、
上昇傾向にあるのが女性の喫煙率です。

特に増加傾向が顕著なのがが20代、30代の女性。

まだ20%を超えた程度ではありますが、
今後も増加し続けるのでしょうか?

また、なぜタバコを吸う女性が増えてるんでしょうね?
(ダイエット目的というのはよく聞きますけど・・・)


*厚生労働省の最新たばこ情報:成人喫煙率

*秋田市周辺高校生の喫煙実態アンケート調査(PDF)

投稿者 松尾 順 : 11:30 | コメント (2) | トラックバック

高校1年生のメディア接触

宣伝会議最新号(2009.5.15)に、
高校1年生(16歳)のメディア接触状況の記事が
掲載されていました。

あくまで、1人の女子高生の1日を
追ったものにすぎませんが・・・

で、ある1日の主要メディアの接触時間は以下の通り。

・テレビ:54分
・ラジオ:0分
・新聞:2分
・雑誌:0分
・PC:2時間30分
・ケータイ:1時間30分


これを見て、「オオっ」と思いました。

我が家の高1の娘も、
ほぼ同じような状況だったからです。

もちろん、べったりと娘の行動を
追っているわけではありませんが・・・


イマドキのティーンズの主要メディアは、
ケータイとPC。もはやテレビではないのです。


わが娘の場合、
ケータイはメール主体での利用のようです。

一方、PCでは、
フリーメールでのやり取りに加えて、
ゲームやニコニコ動画等を楽しんでいます。

また、アマチュアが初音ミクで作曲した
音源をダウンロードしてiTunesに取り込み、
iPodで聞いていますね。

彼女のケータイの利用は主に外出時。

自宅では、家族共有のPCながら、
けっこう長時間利用しています。

同じ目的(調べものとか、動画試聴とか)なら、
画面も大きくて使いやすいPCを使っている。

目的・用途に応じてケータイとPCを
うまく使い分けていることがうかがえます。


テレビについては、
お笑い番組を主に観ているようですが、
私たちの頃のように、だらだらと
何時間も見るということはしませんね。

アルバイトで忙しいこともあり、
HDDプレーヤーでタイマー録画して、
本当に見たいものだけを厳選しています。

さてさて、こうしたケータイ/PCネイティブ世代が
大人になった時、メディアの価値とか存在感は
現在よりもさらに大きく変化しているのでしょうね!

投稿者 松尾 順 : 12:14 | コメント (0) | トラックバック

成果につながるベタスキル

私たちが、
仕事で成果を出すために必要なスキル。

時に「コンピテンシー」と呼ばれることもある
スキルとして、あなたはどんなものが頭に浮かびますか?


・プレゼンテーション?
・論理的思考能力?
・交渉力?

などなど、いろいろ挙げられますが・・・

言うまでもなく、
こうしたスキルを高めることは重要です。

もちろん、高い成果にもつながりやすくなるでしょう。


でも、普段はあまり意識しておらず、
また、とてもスキルとは呼ばれそうもない、
ごく日常業務で求められる行動だけれど、
よくよく考えてみると、成果を出すために
重要なスキルもあります。


例えば、国際会議など、
大規模な聴衆が集まった場所で、
挙手して、講演者に質問するスキル。

語学力がまず大前提として必要ですが、
通訳がいて日本語でOKだったとしても、
なかなかできるものではありませんよね。

自分の質問が的を外れていないか、
きちんと質問の主旨を伝えられるかといった
内容面の不安に加えて、なにより聴衆の目が
自分に注がれるのがイヤですよね。


ここで行動の障害となっているのは、

「気恥ずかしさ」

という心理。

そこで、まずは、こうした心理に打ち勝ち、
積極的に手を挙げるようにする。

最初は失敗することもあるかもしれませんが、
そのうち慣れて、平気で質問できるようになるものです。


あるいは、知人が誰もいない立食パーティ等で、
見知らぬ人々が穏やかに談笑している輪に、
うまく溶け込むスキル。


これ、私もかなり苦手です。

どうやって溶け込むきっかけを
作っていいかわからない・・・

結局、壁際に立ったまま1人寂しく、
過ごしてしまいがち。

でも、これも慣れの問題です。

ここでも大事なのは、
知らない人の輪に割り込むことで生じる

「気まずさ」

というネガティブな心理に負けないこと。

そして、勇気をだして行動し、
失敗しながら、コツをつかんでいくことです。


さて、以上のような

「ベタスキル」

とでも呼びたいスキルの重要性を教えてくれたのは、
旧ルノー公団やエアリキードを始めとする、
欧州グローバル企業の要職を歴任された今北純一氏でした。


今北氏の華麗なキャリアを見ればわかりますが、
語学力は言うまでもなく、ビジネスパーソンとして
極めて高いスキルをお持ちの方。

しかし、今北氏のような人であっても、
誰もが日々の業務で直面する、ごく平凡に思える
状況をうまく乗り切るスキルを高めるために、
自分自身の心理的な弱さを認識し、
それらとの戦いを続けてきたのだそうです。


ベタスキルは、
ある意味、お辞儀や名刺交換の仕方といった
基本作法の応用版というか、より高度なものだと
言えるかと思います。

ただ、新入社員向けセミナーなどの研修で
身に付くようなものではありませんよね。

あくまで日々の実践の中で、
楽に流れようとする自分と闘い続けるしかないんです。


*以上の内容は、今北純一氏の以下の講演を
 元にしました。

「夕学五十講」
https://www.sekigaku.net/

「世界で戦える人材とは?」(今北純一氏) 
(2009年4月24日開催)

*講師紹介ページ(今北純一氏)

*受講生レポート(今北純一氏)

投稿者 松尾 順 : 17:53 | コメント (2) | トラックバック

紙の出版物のピークは96-97年だった!

「インターネット」という言葉が
新聞にチラホラ登場するようになったのが1994年。

95年にはマスメディアでも大きく取り上げるようになり、
イノベーターな人たちがビジネスにおける活用法について
真剣に検討を始めました。

当時私は某シンクタンクの研究員でしたが、
地方自治体の仕事を受注し、中小企業振興に、
インターネットを活用するための調査・研究を
担当したんですよ!


96年初頭には、ベッコアメ・インターネットが
初の一般向け定額制接続サービスを開始。

インターネットの本格的な普及の第一歩を踏み出しました。


実は、その一方で紙の出版物(書籍、月刊誌、週刊誌)
の発行数(販売金額ベース)は、96年、97年あたりが
ピークだったのでした。

それまでずっと成長してきた印刷媒体でしたが、
以来、今日に至るまでじわじわと低下を続けてきています。


ネットが紙を完全に駆逐することはないでしょうけど、
どこまで下がるのかが気になりますね。

*日本の出版統計(出版科学研究所)
http://www.ajpea.or.jp/statistics/statistics.html

投稿者 松尾 順 : 08:26 | コメント (2) | トラックバック

遺伝子アッシーくん

生命は基本的にすべて「女性」(メス)である。
一部が「男性」(オス)として生まれてくる。

そして、男性の役割は、極論すれば、
自分の母親の遺伝子を他の娘のところに運ぶこと
だけである。


こう喝破したのは、分子生物学者の福岡伸一氏。

となると、男性とは、生来の

「遺伝子アッシーくん」

と言えますかね・・・(笑)

とはいえ、オス(特に人類の男性)も、
単なる運び屋だけの人生に甘んじたいわけではなく、
それなりに、したたかに生きているわけですが。


でも、まさに、

「オスは遺伝子アッシーくんに過ぎない」

かもしれないと実感させてくれる生物がいるんですね!

チョウチンアンコウです。


R25の記事によれば、チョウチンアンコウは、
メスの体長が30-60センチに対し、オスはわずか3-4センチ。

ノミの夫婦も真っ青の体格差です。


オスの十分の一以下しかないオスは、
エサをおびき寄せるための「チョウチン」もありません。

というか不要なのです。

なぜなら、メスに寄生してしまうから。

いわゆる「ヒモ」ですね。チョウチンアンコウのオスは、
情けないことに全員、ヒモになる運命。


オスはメスを見つけると、
体に噛みいたままずっと離れません。

そのうち、皮膚も血管もくっついて、
メスの体の一部になってしまうのだそうです。

内臓も退化し、機能しているのは「精巣」だけ。


つまり、チョウチンアンコウのオスは、
遺伝子の運び屋に専門特化しちゃってるというわけです。

なんだかなあ・・・という感じですね。

投稿者 松尾 順 : 08:35 | コメント (4) | トラックバック

雑食系男子を目指そう!

「婚活」がブームですね。

でも、4月20日に始まったばかりの、
SMAP中居くん主演の月9ドラマ『婚カツ!』は、
視聴率低迷にあえいでいるとか。

どうやら脚本がもうひとつのようです。
まあ、話題性だけで視聴率を引っ張るのは、
無理がありますよね。


さて、ネットでは、

「草食系男子、肉食系男子、どちらがモテる?」

なんてアンケート(アメーバニュース掲載)も
行われています。

-----------------------------

*言葉の定義

・草食系男子:
 協調性が高く、家庭的で優しいが、恋愛に積極的でないタイプ

・肉食系男子:
 恋愛の行動時、女性に対して果敢に攻めるタイプ

------------------------------

アンケート結果を見ると、

「草食系、肉食系で、モテるのはどちら」

という設問に対しては、

女性の回答:肉食系・・・60% 草食系・・・40%
男性の回答:肉食系・・・73% 草食系・・・27%

となっていて、
基本、肉食系の方がモテるということが確認できています。


また、女性に聞いた、

「草食系、肉食系、どちらと付き合いたいか?」

という設問に対する答えは以下の通り。

・草食系男子・・・5%
・草食系よりの男子・・・42%
・肉食系よりの男子・・・44%
・肉食系男子・・・7%
・その他・・・2%


純粋な草食系や肉食系男子ではなく、
両方のミックス、いわば

「雑食系男子」

が女性に選ばれやすいことが表れていますね。

また、アメーバニュースの記事では
このアンケート結果に対する考察として、
以下の2点が示されています。

1 “ガツガツしている男”は人気がないが、
  “男の積極性”は支持されている

2 恋愛相手には肉食系男子、結婚相手には
  草食系男子が支持されている


このうち、特に2点目については、
この考察を実証するような実験もあるんですよ。
(同実験は、90年代に行われたもののようです)


この実験では、平均年齢22歳の日本人女性40人に対し、
日本人や白人の男性の顔写真を見せて、
魅力的と感じる顔を選んでもらいました。

写真の男性は、同一人物の「素のまま」のものと、
ちょっと加工して、優しい顔立ち(女性化)の度合いを
20%、40%にしたもの、また逆に精悍な顔立ち(男性化)
の度合いを20%、40%にしたものの5種類が用意されました。

これは、肉食系男子と草食系男子の顔立ちを比べて、
どちらが好きですかという実験だと言えますよね。

(もちろん、顔立ちが女性的か男性的かということと、
 草食系、肉食系を単純に結びつけていいのかという
 議論があるかもしれませんが)


なお、実験は、

・女性が妊娠しやすい時期(妊娠ハイリスク時期)
・妊娠しにくい時期(妊娠ローリスク時期

のそれぞれの時期に行われました。

この2つの時期に、
女性は同一の作業をやっています。


この実験結果を簡単にまとめると、

・妊娠ハイリスク時期には、より男性化した顔が好まれる
・妊娠ローリスク時期には、より女性化した顔が好まれる

というものでした。

おそらく、子どもができそうな時期の女性は、
繁殖力が強く、強い子どもができる遺伝子を
持っていそうな男性を無意識に求めてしまうと
いうことなんでしょう。

逆に、子どもができる可能性が低い時期の女性は、
協力的で優しい男性の方がつきあって楽しいから・・・
ということで女性的な顔つきの男性を好むのでしょうね。


というわけで、婚活中の草食系男子へのアドバイス。

・結婚後の家庭生活・育児生活において、
 草食系男子の優しさはプラスです。
 多いにアピールしましょう。

・でも、やはり恋愛中は積極的に。
 努力して肉食系男子的行動を取りましょう。


雑食系男子を目指そう!


「草食系男子」、「肉食系男子」結局モテるのはどっち!?
(アメーバニュース)


*男性の写真を見せる実験の出所:

 『恋愛遺伝子』(山元大輔著、光文社)

投稿者 松尾 順 : 10:23 | コメント (3) | トラックバック

男は目で恋をし、女は耳で恋に落ちる

 A man falls in love through his eyes,
 a woman through her ears.

 「男は目で恋をし、女は耳で恋に落ちる」

- Woodrow Wyatt,
English Journalist and broadcaster(1918-1997)


実に洞察に富む言葉です。

イギリスのジャーナリスト、Wyatt氏は、
優れた観察力によって、男性と女性の恋愛の仕方の違いを
的確に指摘していたんですね。

石田純一氏も、
某記者会見でこの言葉を引用していましたが、
さすが稀代のプレイボーイ・・・!


さて、以前の記事、

『男の視線は女性のどこに注がれるのか』

でご紹介しましたが、Wyatt氏のこの言葉は、
脳科学の研究によって裏づけが取れています。

すなわち、男性が好みの女性を選ぶ際、
「視覚」を司る脳の特定部位が活性化します。

一方、女性が好みの男性を選ぶ際には、
「言語」と「記憶」の部位が活性化するのです。


サバンナでの狩猟採集生活が長かった私たちの祖先。

男性は獲物を探し出すために視覚を発達させていました。

そして、女性が自分の子孫を産める健康な体であるか、
また妊娠適齢期であるかを主に外見で判断してきたようです。


女性の場合は、集落に残っている仲間の女性たちと
緊密なコミュニケーションを取りながら、
家事・育児等を行ってきましたので言語能力に加えて、
言葉を聞き取る「聴覚」を発達させました。

ですから、男性を選ぶに当たっては、
男性の「声」を特に重視するようになったようです。

また、妊娠・育児期間の長期間にわたって、
責任を持って家族を守り、食料を貢げるかどうかを
きっちり男性に「言葉」で約束してもらうことを
女性は求めたのです。

ですから、聴覚に加えて、
「記憶力」も強くなったと考えられています。


どうりで、女性は男性がはるか昔に言ったことを
細部までよく覚えていて、

「あの時あなたはこう言ったじゃない」

などと責めたてるのが得意なんですね(笑)


なお、男性が、視覚優位で女性を選ぶという点は、
心理学の実験でも検証されていますね。

先日配信された有料メルマガ

『セクシー心理学GOLD』(2009-05-09号)

では、イギリスで行われた行動学の実験結果が
紹介されていました。

まず、隠しカメラで100以上の学生を対象に、
異性と話をしているところを観察したそうです。

その後、

「今の異性に対してどれだけ好意を抱いたか」

という質問をしました。

すると、男性が、好意を抱いた女性と
目を合わせていた時間は平均8.2秒でしたが、
あまり好意を持たなかった女性と目を合わせて
いたのは5秒弱だったそうです。

(女性は、好意を抱いている・いないに関わらず、
 視線を合わせる時間に変化はなかったそうです)


やはり、男性は(無意識に)視覚を駆使して
女性を選好してしまうということなんですね。


また、聴覚優位の女性にとっては、
男性の声が、好みの男性かどうかを判断する上で
重要であることも検証されていますね。

カナダと米国の研究者らは、
低い声を持つ男性の方が、より女性を引きつけ、
多くの子を持つ可能性が高いという研究結果を
発表しています。


低い声は、男性ホルモンの影響が大きいのですが、
男性ホルモンが多いほど、男性らしい体型となりますし、
女性から見たらたくましく、頼りがいがあり、
獲物を捕まえる能力も高いだろうという「判断材料」
として声が利用されているようです。


まあ、近年は女性の経済力が高まったこともあり、
必ずしも「男性性」が重視されなくなってきた
傾向が見られます。

このことが、「草食系男子」の登場を
促したであろうことも以前指摘しましたね。


*『男の視線は女性のどこに注がれるのか』

*『ユニバーサルカーブと草食系男子』

*『セクシー心理学GOLD』
http://sinri.net/gold.htm

投稿者 松尾 順 : 15:35 | コメント (2) | トラックバック

「ブレンドワイン」とでも呼んだらいかが?

その昔、私がまだ紅顔の美少年(ウソ)だったころ、

「ロゼワイン」

というのは、赤と白ワインを混ぜたものだと思っていました。

オトナの人にある日、

「いや、ロゼワイン独自の製法で作られているんだよ」

と教えられて、

「ふーん、そうなんだ、そりゃ、そうだよね、ただ混ぜるだけなんて芸ないし!」

と納得したことを覚えています。


ウィキペディアによれば、ロゼワインの製造法には、
「セニア法」、「直接圧搾法」、「混醸法」の3種類があるみたいです。

ところがなんと、現実には、
単純に赤・白ワインを混ぜる(ブレンド)だけのロゼワインもあったんですね!

これまで「シャンパーニュ」だけには、
この単純な製法が認められていたことを先日知りました。

そして今、EUでは、新世界(欧州以外の国)の
安価なロゼワイン(ブレンドするだけの製法のロゼが多い)に対抗するため、
シャンパーニュに限らず、赤・白ワインをブレンドしただけのワインを

「ロゼワイン」

と呼んで販売することを認可するどうかの議論が続いています。

独自の製法で手間をかけるより、
単純に赤白ワインをブレンドしたほうが
低コストで製造できますからね。

それにしても、消費者不在の議論ではあります。

シャンパーニュも含め、
赤・白ワインを混ぜただけのワインは、
ロゼワインとは呼ばず、

「ブレンドワイン」

あるいは

「ミックスワイン」

と呼んできっちり区別して欲しいものです。

投稿者 松尾 順 : 13:03 | コメント (0) | トラックバック

私は、「ソフトクリームひとつ」と言いたい。「ソフトツイスト」じゃなくて!

先日、某所のマクドナルドにて。

私:「ソフトツイストひとつください!」

店員:「・・・えーっと、“ソフトクリーム”のことですか」

私:「えっ、はい・・・」
  (コラ、客に聞くんじゃない!)


店員さんはアラカン(アラウンド還暦)の女性。
明らかに勤務初日でした。

ひょっとしたら、
お客としてマクドナルドを利用したことが
ないのかもしれません。

とはいえ、「ソフトツイスト=ソフトクリーム」という
スーパーウルトラ基本知識さえ身につけていない新人さんを
即現場に投入している状況を鑑みると、いまだ外食産業の
人手不足は深刻なんでしょうね?


それにしても、「ソフトツイスト」は、
どこからみてもフツーのソフトクリーム以外の
何者でもありません。

わざわざ「ソフトツイスト」なんて、
変にツイスト(ひねった)ネーミングは止めて
欲しいものです。

店員さんでさえ理解できないくらいなんですから。

私は、普通に「ソフトクリームひとつ」と言いたい。

投稿者 松尾 順 : 13:29 | コメント (0) | トラックバック