言語感覚を磨く

現在、私は、ビジネスパーソン向けのEラーニングである

「ISIS編集学校」(編集工学研究所主催、松岡正剛校長)

で師範代をやっています。

「編集学校」は、一言で言えば

「アイディア発想力」

を高める実践的なスキル、すなわち「編集術」を学ぶところです。

私は2年前に入学して、現在は、まだまだ未熟ながら生徒さんを
指導する立場(師範代)にあります。

最近、編集術を学び、また生徒さんたちを指導しながら思うのが、
アイディア発想力を高めるためには、特に言葉に敏感になること
が大事だなということです。

つまり、「言語感覚」を磨くということです。


言語感覚を磨くことの大切さを痛感させられる事例が、
日経ビジネス最新号(2005年12月26日)から拾うことができます。

例えば、P&Gが今年9月に投入した新製品の室内芳香剤、
「置き型ファブリーズ」。

これが最近ばか売れしているそうです。
売れている背景には、インテリアに溶け込む優れたデザインや
ファブリーズという既に認知されたブランドを活用したこと
など、様々なマーケティング要素の相乗効果がもちろんあります。

しかし、一番効いているのは、広告宣伝で使ったこの
ストレートなキャッチコピーでしょう。

「香りに頼らない、ホンモノの消臭効果」


芳香消臭剤に対して消費者が抱く一般的な気持ちは、

「臭いを消しているんじゃなくて、
 単に別の匂いでごまかしているだけじゃないか?」

です。

これは口にはあまり出さないけれど、誰もが抱く気持ちでは
ないでしょうか。

P&Gのキャッチコピーは、この消費者の懸念を払拭する
クリアな回答を示したわけです。

消費者としては、

「‘ホンモノの消臭効果’そう、その言葉を聞きたかったよ」

と感じたに違いありません。

また、P&Gの洗濯用液体洗剤「アリエール」の容量表示は、
重さ「1.1Kg」と表示されています。

液体洗剤ですから、「1000ミリリットル」と表示するのが
普通ですし、実際、他のメーカーはそのように表示されています。

しかし、「アリエール」がキログラム表示するのは、
日本の消費者が、液体洗剤だと

「粉末洗剤に比べてすぐに消費してしまう」

というイメージを持っていたからです。

そこで、意図的に粉末洗剤と同じ表示とすることで、
「粉末洗剤と同じ回数使える」という印象を与えることを
狙いました。

このように、キャッチコピーを工夫し、また
表示方法を変えるだけで、これだけの効果があるのです。

言語感覚を磨くことが、本当に重要だと思いませんか?

投稿者 松尾 順 : 2005年12月27日 07:22

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