意味の拡張
神戸大の石井淳蔵教授は、
「経験価値マーケティング」
という新しい手法の特徴として、
「情緒的価値」の重要性を指摘しています。
(週刊プレジデント、2006.1.30号)
「情緒的価値」とは、ブランドに対する
‘自分のモノ感’や‘愛着’
のことで、個々のユーザーによって異なる意味・意義をもつ
固有の価値です。
なぜ、「情緒的価値」が重要なのでしょうか。
それは、従来重視されてきたブランドの価値、例えば
「安心」「親しみ」「信頼」
といった万人に通じる価値だけでは、
競合ブランドと十分な差異性を打ち出すことが難しいからです。
したがって、固有性の高い「情緒的価値」を持たせることが、
これからのマーケティングの課題であるというわけです。
ただ、注意すべき点は、情緒的価値は、
商品・ブランドの機能・効能で構成されるものではないこと。
むしろ、消費者の生活や経験に深く入り込んだものです。
では、情緒的価値を生み出すために、
マーケターがやるべきことは何でしょうか。
それは、商品・ブランドの「意味の領域」を問い、
従来の「製品カテゴリー」概念を捨て去ることだと、
石井教授は主張しています。
一般常識であるが故に、固定的になってしまっている従来の
「業界」「業種」「商品」といった標準分類・カテゴリーを
打ち破るべきだということですね。
なるほど、それはわかった、
「じゃあ、具体的に、どうやって製品カテゴリーを打ち破り、
意味の領域を問うの?」
という声が聞こえてきました。(笑)
では、簡単にお教えしましょう。
ISIS編集学校の課題には「言葉の言い替え」というのが
あります。例えば、「コップ」を様々に言い替えていく。
・ガラス製品
・容器
・食器
・花瓶
・手に持つもの
・さいころばくち用
・ブラジャー
・・・
などなど。ブレスト的に、どんどん出していきます。
ばかげたもの、笑われてしまうようなものでもなんでもOK。
こうした言い替えを通じて、たかが「コップ」でも、
その意味は実に多様であることがわかります。
同様に、ソフトシステムズ方法論という分野では、
「意味づけの拡張」という作業をやります。
面白い事例では、「刑務所の意味づけ」を拡張があります。
・刑に服するところ
・3食付のホテル
・技能を身につけるところ
・規則正しい生活態度を習得するところ
・健康的になるところ
・・・
など、本来の目的以外の様々な意味合いを洗い出していく中で、
刑務所の持つ以外な価値が見えてきます。
このように、自社の製品やブランドを「意味」の視点で
拡張してみることが、差異性につながる情緒的価値を発見する
ためにとても有効な方法なんですよ。
ぜひ、実践なさってみてください。
投稿者 松尾 順 : 2006年01月11日 11:53
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コメント
松尾さん
課題の実践、非常に参考になります。
投稿者 kazuya : 2006年01月11日 15:46
コメントありがとうございました。
お役に立ててうれしいです。(^o^)
投稿者 松尾順 : 2006年01月11日 18:49
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