顧客の平均年齢71歳

私の持つ、たくさんの暗い過去のひとつに、

「旅行会社の社員で悩み多き日々を過ごした」

という経験があります。(^-^)

新卒で入った中堅の旅行会社でしたが、
いろいろと挫折や悲哀を味わいました。
(会社自体はいいところでしたよ)

今もあいかわらず不器用ですが、
当時はもっと生き方が不器用だったせいです。


私のことはともかく、(⌒o⌒;

旅行会社は、以前は「旅行代理店」とも呼ばれていたように、
鉄道、バス、航空券などの交通機関や、ホテル、旅館などの
宿泊施設、そして、名所・旧跡などの観光地・施設の手配の
「代行」によって手数料を得ます。

手数料率は、ざっくり丸めていうと、高くても20%前後、
低いものは3%程度です。
これが=「粗利益率」ですから、
人手のかかる商売にしては利益率が著しく低い。

手配代行だけやっていては儲からない商売です。

この構造は、広告業界と非常に似ています。
ただ、広告業界は単価も高く、一社当たりの取扱額が
数億~数十億になることもありますから、
手元に残る「粗利益額」は莫大です。
このあたりは商社に近いものがありますね。


さて、旅行会社に話を戻すと、
単なる代理業に止まっていては儲からないし面白くないわけです。

やはり、企画料やサービス料といった形での付加価値を提供して、
より大きな収益を上げる知恵と工夫が必要になります。


その意味で、マーケティング専門誌「アイ・エム・プレス」
最新号(2006.4)の巻頭インタビューに登場した

「ニッコウトラベル」

さんの取り組みは注目に値するものでしょう。

ニッコウトラベルさんのツアー参加者の平均年齢は71歳!
私の勝手な想像ですが、ほぼ全員総入れ歯でしょうし、
歩くのだってもうそんなにすばやく動けない。

しかも、長い人生を過ごしてきて、旅行歴は20-30回は
当たり前。ありきたりの企画では満足してもらえません。


そんなわけで、若い人向けのツアーと違って、
企画内容や食事、時間配分に特別の配慮が必要になります。

ただ、逆に言えば、
うまくノウハウを確立できれば儲けは大きい。


ニッコウトラベルの場合、
ツアー申込書の職業欄には、参加者全員が「無職」と
書くそうですが、元上場企業の役員だった人とか、
いわゆる「資産持ち」の富裕層です。

いったん気に入ってもらえば、リピートしてくれるし、
顧客単価も高い。記事によれば、パッケージツアー1本
当たり55万円だそうです。

記事では、ニッコウトラベル社長の久野木和宏氏が取材に
応じているのですが、他の旅行会社との差別化の
ポイントについて、次のようなコメントをしています。


“旅行会社には「旅行を販売するだけの会社」と
「旅行を作るだけの会社」、そして添乗などを含めた
「旅行を運営する会社」の3つがあると思っています。”

“当社は、このうち「旅行を運営する会社」に当たり
ますが、これは中でも一番大変なことだと考えています”


「旅行」というサービス商品の場合、その運営プロセス
において特に、「人」に依存した深い知識、ノウハウ、
経験が必要です。

久野木社長は、この部分にこそ、他社が簡単に真似できない
差別化ポイントがあると考えているんですね。


ついでながら、ニッコウトラベルさんと同様、
旅行の運営に強みを持ち、差別化に成功している旅行会社には、

「オーロラを見ながら星野道夫を語る会」といった冒険的企画が
面白い「地球探検隊」さんや、
車椅子の方などの障害者の旅行に特化した「ベルテンポ」さん

などもありますね。


一見儲かりそうにない、面倒で手間のかかるところに、
実は、「儲けの種」があるように思います。

投稿者 松尾 順 : 2006年03月27日 06:00

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mindreading.jp/mt/mt-tb.cgi/162

コメント

クノキさんは実は私の飲み友だちです。読んでいたらいきなり名前が出てきたのでびっくりしました。
大阪で広告会社を起こして、それから旅行業に転じたすごい方です。
私も、ミャンマーで一年ランドをやったことがあります。業界のことは余りよくわからないまま辞めてしまいましたが。
その時の所長が、独立してミャンマー秘境ツアーを売っています。「ランド屋太郎」で検索してみてください。

投稿者 キムラ(@クロシオ胡蝶) : 2006年03月27日 15:23

キムラさん、ども。
クノキさんとは旅行つながりですか。

ブログを拝見してると、木村さんは世界のあちこちで危ない橋を何度も渡られているようで・・・(^-^)

投稿者 松尾 順 : 2006年03月27日 15:50

こんにちは。この屋台(http://d.hatena.ne.jp/amigo_kimura/20060305)でクノキさんとは知り合いました。飲み仲間です。
ニッコウさんは、私のような貧乏旅行者は相手にしてくれません。

投稿者 キムラ(@クロシオ胡蝶) : 2006年03月28日 13:29

コメントしてください




保存しますか?