市場の声を聞く姿勢

3年ほど前、トイレ、バス、キッチンなど水回りを得意とする
住宅機器メーカー、TOTOさんをライターの仕事で取材した
ことがあります。

テキストマイニングの取り組み事例の紹介が目的でした。
その記事は、今でもこちらで閲覧することができます。

さて、当時テキストマイニング担当の小代氏の話の中で
特に印象に残った点は、テキストマイニングの2つの目的に
ついてでした。
(上記記事内でも小代氏の生の言葉を引用してあります)


ひとつは、テキストデータの中の「大きな声」を拾うこと。

つまり、多くの人が共通して言うことを全体的な傾向として
把握することです。


もうひとつは、「かぼそい声」を拾うこと。

これは、少数意見だけれども、新たな商品開発のヒントと
なるような重要な声を見逃さないということです。


マーケティングリサーチの基本的な分析目的は、
全体的な傾向の把握であり、そのための様々な分析手法が
「統計的処理」なんですが、
そういうアプローチをずっとやっていると、
少数意見は、単なる「誤差」にしか過ぎないものとして、
ろくに考えもなくさっさと除外してしまいがちです。

ですから、小代氏が、少数派の意見の方が、実は、多数派の
ものより高い価値があると指摘された時、
「なるほどそうだな」と感じたものです。

多数派の意見は、ぶっちゃけわざわざ調査・分析しなくても
わかることです。とすれば、競合他社にも簡単にわかること。

そんな意見を元にした新商品には、すぐに類似品が登場します。
競合優位性のない商品開発になってしまうというわけです。


さて、上記のような少数派意見を活かすために
まず必要なのは、市場の声を確実に収集することです。


岡崎太郎さんのメルマガ「売れるためのマーケ心得537」
(2006.04.12配信)では、TOTOさんのさすがの対応が
報告されています。

欧米の公衆トイレの中には、壁付けの便器がありますよね。
壁からニョキッと出っ張っているやつで、
床から浮いているので掃除がしやすいのです。

岡崎さんが調べたところ、日本には住宅用の壁付け便器が
販売されていないことがわかったので、
なぜなのか疑問に思い、
日本の2大メーカー(TOTO、INAX)に
電話してみたそうです。

TOTOさんには2コールでつながり、
対応したオペレーターは、日本に住宅用壁付け便器が
出回っていない理由を的確に説明してくれた上に、
技術部門にも照会を取り、翌日にはFAXで丁寧な回答が
届いたそうです。


岡崎さんは、

“こんな突拍子もない戯言に、ここまで親切に丁寧に
 対応してくれるとは東陶機器株式会社グレイト!”

と大褒め。

ここまで消費者ときちんと対話する体制ができていれば、
商品開発に役立つ有益な声もたくさん集まるに違いありません。


一方、INAXさんは、4回コールしていずれも

「大変込み合っているのでおかけ直しください」

と一方的に切断する仕組みだったそうです。


残念ながら、企業のマーケティングマインドの差が
如実に現れていますね。

私のふるさと、福岡オリジンのTOTOさんは
やっぱりグレイト!

投稿者 松尾 順 : 2006年04月13日 06:00

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コメント

どうも岡崎です。

なんか紹介して頂いてサンキューです。

いい感じですね。東陶さん。

それから女性の感じもとってもキュートでした。

はい。

採用は大事ですね。

はい。

これからもどうぞよろしく!


投稿者 おかざきたろう : 2006年04月13日 18:27

岡崎さん、コメントありがとうございました。

東陶さん、地元福岡の会社ですし、
なんだかうれしいですよね。

会社の窓口的な方の役割って確かにとても重要ですよね!

投稿者 松尾 順 : 2006年04月14日 04:38

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