インターネットマガジン休刊

インターネットマガジンがとうとう休刊ですねぇ・・・

同誌が創刊されたのは1994年9月でした。
94年は、日経新聞などで「インターネット」の進展が
頻繁に取り上げられ始めた年で、私は、
「インターネットのメディア登場元年」と呼んでいます。


当時、私はシンクタンクの研究員でしたが、
インターネットのただならぬ動きに注目し、大いに興味を持ち、
自分の目で、「ホームページ」がどんなものか、
見たくて見たくててたまらなかったですね。
(まじめなやつも、エロいやつも・・・)

もちろん、まだインターネットは、一般社員が使える環境には
なっていませんでしたし、個人で契約するにしても、当時は
従量課金で月数万円以上、とても手が出せない。

そんな頃、ほぼ唯一のインターネット専門誌としてワクワク
しながら読んだのが「インターネットマガジン」でした。


95年前半には、ベッコアメインターネットが個人向けに
定額制のネット接続サービスを開始し、私もちゅうちょなく
飛びつきました。

以来、私はどっぷりとインターネットの世界に浸かり、
いわゆる「インターネットマーケティング」の領域での
活動がかなりの割合を占めてきました。


インターネットマガジンは、私もいつしか購読しなくなって
いましたが、それは、インターネットをどう使いこなすか、
という段階から、インターネットをどのようにビジネスや
マーケティングに応用するか、という段階に入った頃の
ように思います。


インターネットマガジンの休刊の理由は、

社会全体に大きな影響を与えるまでに進化したインターネットを
一つの(総合)月刊誌でカバーすることがむずかしくなった

からだそうです。


考えてみれば、もはや「インターネット」という言葉は
あまりに当たり前すぎてほとんど使いませんよね。

インターネットは暗黙の前提としてわざわざ言うまでもない。

いきなり、「Web2.0」とか「マッシュアップ」とか
個別の話題に入るようになりました。


これまでは、インターネットの「量的な側面」、つまり
普及率といったことが話題の中心でしたが、これからは、
ネットのより深い活用、つまり「質的な側面」が注目
されるわけです。

これは、弁証法でいう「量から質への転化」が始まっている
と言えるんでしょうね。量的な変化がある時点で質の変化
へとつながるということです。

そうやって物事は進化していく。


田坂広志さんは、「量から質への転化」のタイミングは、
そのキーワードがメディアで取り上げられなくなった時
だとおっしゃってました。

メディアは常に新しいものを追いかける。

新しい言葉、そして、その言葉が指し示す意味なり概念が
すっかり定着したた時、メディアは、その言葉は
取り上げるだけの価値があるとはみなさなくなる。

つまり、メディアは言葉を消費してしまうわけです。
しかし、それは、その言葉の終わりを意味しないのです。

むしろ、そこから質的な転化、新たな進化が始まるという
ことだそうです。

インターネットマガジンの休刊は、インターネットの量から
質的転化を示すひとつの徴候でしょうね。


ともあれ、インターネットマガジンにはお世話になりました。
ありがとう。

投稿者 松尾 順 : 2006年05月19日 18:16

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