これから何が起こるのか(14)「集合知」のマネジメントへ

市場における顧客サービスは、

コスト・サービス
   ↓
ナレッジ・サービス
   ↓
マインド・サービス

と進化していきますが、この進化と同時に、
企業のマネジメントも、「コインの裏表」のように進化します。


すなわち、企業のマネジメントは、
単に情報やデータを扱っていた段階から、より高度な

「ナレッジ・マネジメント」

へ向かい、さらに深い智慧を扱う「ノウハウ・マネジメント」
「マインド・マネジメント」へと向かうのです。


ただ、田坂氏は、
ひところブームになった「ナレッジマネジメント」でさえ
あまり成功していないことを指摘します。

その理由は、「企業文化」が変わっていないからです。


いくら「情報システム」を導入し「業務プロセス」を
変えたところで、その背景にある「企業の文化」が変わらない限り、
本当に重要な「知識」や「智慧」は共有されないんですね。

ですから、企業のマネジメントがより深い

「ノウハウ・マネジメント」や「マインド・マネジメント」

に向かうとき、この「企業文化」がさらに大きな壁として
立ちはだかってくると田坂氏は考えています。


さて、企業の「ナレッジ」マネジメント」の進化は、
企業内部から始まりますが、第二段階は外へ向かいます。

それは、

「異業種のナレッジ・マネジメント」

です。

顧客の特定のニーズに関連したさまざまな商品やサービスが
「商品生態系」を形成し、市場競争が「商品生態系同士」で
行われる時、生き残るために必要なことは、

同じ商品生態系に生きる異業種企業との提携・連合を通じて
いかにうまく、お互いの知識、智慧をいかに結集して、
より優れた商品生態系を生み出すか

です。


そして、さらに、企業のマネジメントの対象は外に広がり
第三の段階に到達します。


「顧客のナレッジ・マネジメント」

です。


つまり、「企業の智慧」だけでなく、

「顧客の智慧」

を借りることへと進化を遂げるわけです。

実は、その具体的な方法こそ、
既にご紹介した「顧客コミュニティ」や「ブログウオッチング」
を通じて、生の「顧客の声」を集めることなのでした。


では、この「顧客のマネジメント」の行き着く先は
なんでしょうか?


田坂氏によれば、それは

「集合知」のマネジメント

です。


個々の顧客の智慧をマネジメントする世界を超え、
無数の人々の持つ「智慧」が集まった

「場の叡智」

とも呼ぶべきもののマネジメントを行うことを
企業は求められるというわけです。


ふう・・・

というわけで、「これから何が起こるか」のロングレビューは
今回で終了いたします。お付き合いくださいましてありがとう
ございました。


「これから何が起こるのか」
(田坂広志著、PHP研究所)

投稿者 松尾 順 : 2007年03月08日 06:45

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