「お一人様」集客のポイント

現在、世帯全体の約3割を単身世帯が占めていることもあり、

「お一人様」

を対象とする市場が注目されていますよね。


結婚している人たちでも、
お互い共働きだったりすると時間がなかなか合わない。

したがって、少なくとも平日は一人で行動し、
食事も一人で取るしかない人が多いんじゃないでしょうか。
(飲み会などがある日は別として)

私のところは共働きではありませんが、
仕事を多少早めに切り上げたとしても自宅に帰り着くのは
9時、10時です。

夜遅く食べるのはあまり体に良くありませんし、
肥満の元ですから、20代の頃から6時前後にオフィスを
抜け出して外食を取る生活を続けてきています。
(外食ばかりで、どちらにせよあまり健康に良くないですが!)


男性の場合、一人でも気楽に入れるお店の選択肢が豊富ですよね。

「吉牛」(吉野家)を始めとして、
松屋、すき屋といった牛丼店、立ち食いのうどん・そば、
各種ラーメン店、カレーのココ壱番屋など、
私もこれらの店をローテーションを組んで通っています。(笑)


しかし、上記のような店には女性はほとんどいません。

一人暮らしで自炊をされる女性が多いのは、
生活費の節約もありますが、一人で気楽に入れる飲食店が
あまりないからということもあるようです。
(唯一の例外は「大戸屋」などの和食系定食屋くらいでしょうか)


さて、飲食店業界では、焼肉店や中華料理店などでも、
従来は客単価が低いため嫌っていた「お一人様」を受け入れるため
様々な取り組みを始めています。(日経MJ、2008/05/23)


吉野家のように、お一人様のためにカウンター席を
設置するのは大前提ですが、大事なのは

「お店のスタッフによるフレンドリーなサービス」

なのだそうです。

上記記事に掲載されている焼肉店、「焼肉どんどん」の場合、

「一人で焼き肉店に来店する客は、静かに食事をしたい
 というより、話し相手を求めていることが多い」

と判断しています。

そこで、初めての客には肉の焼き方をスタッフが
丁寧に教えたり、客の好みを覚えて、2回目以降の来店では、

「お客さん、カルビが好きでしたよね・・・」

といった声がけをするようにしたそうです。

この結果、上記のような人間的な触れ合いを求める
常連さんが増えてきたとのこと。


記事には書かれていませんでしたが、
常連さんの多くは女性でしょう。

男性の場合、人間的触れ合いを求める場所も
豊富ですから・・・


従来の牛丼店やファーストフード系のお店は、
スタッフとのコミュニケーションはほとんどしない
のが基本です。

だからこそお一人様でも気軽に利用できるのですが、
ただ、やっぱり客としては一人で黙々と食べるのは
ちょっと寂しいというのが本音。


ですから、飲食店がお一人様、とりわけ女性の一人客を
獲得したかったら、何気ない会話できるスタッフを
育成することがポイントになってくるんですね。


そういえば、サンドウィッチマンの持ちネタに、
ファミレスの店員の実地研修のコントがあります。

店長の伊達さんが、
お客に扮して来店した際の店員の対応方法を
教えているところ。

富澤さんは入社初日の変な外人さんアルバイトです。


「ムーン」(自動ドアの開く音)

「イラッシャイマセ。ナンメイサマデスカ?」

と富澤さん。伊達さんが、

「えーと、一人だよ!」

と答えると、

「ソレハ、サミシイデスネ・・・!」

と富澤さんが返す。そこで伊達さんが

「そんなこと、俺教えたか!」

と突っ込むというやり取り。


核心を突いています。

投稿者 松尾 順 : 2008年06月11日 13:06

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